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- 2023年9月12日
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日本スピンドル製造は、電気自動車(EV)のモーター部品のローターシャフトを効率良く加工できる技術を開発した。得意とするフローフォーミング加工法の新技術により鍛造品を切削する従来工法に比べ、ローターシャフト材料の重量を半分以下に抑えられる。内部の中空化も可能。EVの軽量化に貢献する。
フローフォーミング専用機を使っている場合、加工ツールを交換すれば数十万円の費用で導入できる。EVの普及を見据え、専用機の拡販を目指す。
フローフォーミングは板状や円筒状の金属を回転させ、ローラーを押し当てて金属を自在に変形させる加工方法。ローターシャフトのフローフォーミングにおいて、一部をツバ出しして張り出す加工技術を開発した。
ローターシャフトの端が短くなるため、加工箇所が従来工法より少なく、材料の重量を抑えられる。内部の中空化により冷媒を通せるため、冷却性能を高める効果も得られる。
日本スピンドル製造は住友重機械工業の子会社。フローフォーミング専用機が主力。新加工技術は専用機のうち、駆動系部品向け機種が対象となる。
- 2023年9月12日
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- 2023年9月11日
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ソディックは仙台市太白区に同社国内最大級のショールームを備えた新拠点「仙台テックセンター」を建設し、8月1日から営業を始めた。投資額は約7億円。同区の仙台営業所を移転する。併せて営業やサービス担当者を増員し、放電加工機などの補修部品の在庫も拡充する。東北地域は高精度な加工が必要な電子部品産業が集積する。サービスの充実で繰り返し精度の高さといった同社製品の特徴を生かせる体制を整備し、高度なモノづくりに貢献する。
仙台テックセンターは2階建てで延べ床面積約1191平方メートル。ショールームには形彫り放電加工機や射出成形機、マシニングセンターなど最新機種8台を設置する。従来と比べ補修部品を在庫する倉庫スペースを拡大し、災害や緊急対応のリスクも分散する。
加工に関わる相談全般に対応する技術アプリケーションスタッフも常駐。加工検証などを通じて課題解決を支援する。定期的に加工機や成形機に関する技術スクールを開き、顧客の要望に応じた特別講習会も実施する。
東北地区はマイクロコネクターなど精密電子部品産業が集積し、同社加工機の国内出荷台数の中でも多くの割合を占める。迅速で充実したサービスを提供することで、繰り返し精度や再現性の高さといった同社製品の特徴を最大限生かし、高度な技術が求められる生産現場を支援する。
放電加工機など工作機械販売の2023年1―3月期の売上高は前年同期比18・4%減の91億円。一方、保守サービスや消耗品の同期の売上高は同7・1%増の30億円と、工作機械事業全体の25・0%を占めた。サービス体制の拡充で景気の影響を受ける設備投資に左右されない収益基盤の構築にも貢献する。
- 2023年9月11日
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- 2023年9月8日
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中国の鍛圧機械各社が日本市場で攻勢をかける。東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「MF―TOKYO2023」では特にレーザー加工機で、豊富な納入実績や圧倒的な量産効果による価格競争力を強みに提案を積極化している。
日本に加工検証施設を設けてサービスにも力を入れる。背景には二酸化炭素(CO2)からファイバーレーザーが主流になるレーザー加工機市場の構造変化もある。
「日欧のファイバーレーザー加工機と比べて価格を半分以下に抑えている」。日本ボーダーレーザーは価格競争力に自信を示す。
親会社の中国山東省のボーダーレーザーは、切断用レーザー加工機の2022年の世界販売台数が前年比18・6%増の6156台。出力1キロワット以上の同加工機の販売台数は世界一という。品ぞろえはレーザー出力1キロ―50キロワットと豊富で、年約3000台を納める中国市場での納入実績などから、江頭アドバイザーは「性能や信頼性も日欧メーカーと遜色はない」と強調する。日本では約10社の販売代理店を通じ年約数十台を販売する。
HSGエンジニアリング(川崎市中原区)は22年9月に川崎市に「実証加工センター」を設立し、加工品質を検証する体制を構築した。企画開発の担当者を配置し、日本市場に合わせて製品仕様を変える体制も整備。保守部品を在庫して専任の担当者も配置した。
親会社は加工機大手のHSGレーザー(中国広東省)。レーザー加工機の月産台数は700台と世界有数の規模を持つ。日本では小型機やパイプ用のレーザー加工機、溶接機を中心に販売。定価は日本メーカーの約半分で、杉山明彦副社長は「日本市場に合わせたサービス体制で対応していく」と自信を示す。
済南森峰レーザー科学技術(中国山東省)は、日本法人の開設を検討する。強みは最大20キロワットの高出力レーザー。アジア地域の営業責任者の李錫龍氏は「加工性能は日本企業とあまり変わらない」とした。価格は日本企業の同等の性能の製品の3分の2に抑え、こちらも差別化要因だ。
- 2023年9月8日
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- 2023年9月7日
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日本精工は今月より軸受の研削ラインの一部を自動化する。7月から段階的に自動測定機を導入し、2022年から導入を進めている加工対象物(ワーク)のライン内自動搬送に加えて、測定工程も自動化する。日本精工は22年度からの5カ年中期経営計画で、26年度に生産性を21年度比1・5倍に高める方針。各工場で生産性が高い次世代モデルラインの構築に取り組んでおり、今回の自動化はその一環となる。
インフラ向け中心に大型軸受を生産する藤沢工場桐原棟で、研削ラインの一部を自動化する。従来も工程間の無人搬送車(AGV)など複数の自動化に取り組んでいたが、既存研削ラインの設備間搬送と測定作業は手作業だった。自動搬送機と自動測定機の導入が完了する9月以降は段取り替え以外で人手が極力かからなくなり、現行より少ない人数で複数ラインを担当できる。
大型軸受の研削ラインでは、ワークの単体重量が40キログラムに迫るものもある。手作業ではクレーンなどの荷役設備が必要となるため、今回の自動化は省人化以外にも従業員の安全性、設備稼働率向上といった付随効果が見込める。藤沢工場桐原棟では26年までに同じ構成の4ライン内で搬送・測定の自動化を計画する。このほかの施策も含め、藤沢工場では26年までに生産性を21年度比1・7倍に高める方針。
日本精工は中計で「生産の超安定化」を掲げる。生産現場のオペレーターや保有設備、サプライチェーン(供給網)に至るまでを最適化することで経営資源を強化する狙いだ。
- 2023年9月7日
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- 2023年9月6日
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旭工業所(愛知県刈谷市)は、自社の製造工程内で使用する検査具や測定器を外部向けに設計・販売するサービスを始めた。同社の品質保証部では数十年間にわたり自動車部品の評価を担う測定器を自作している。このノウハウを活用して内径や外径を検査する器具などを外販する。自動車部品メーカーや軸受メーカーの需要を想定。年間1000万円の売上高を目指す。
検査具や測定器の外販は2021年から一部で始めており、今後は23年2月に立ち上げた自社ブランド「kensatools(ケンサツールズ)」を通じて本格展開する。内径や外径、ピッチ、円周振れなどの測定器を設計・販売する。主に旭工業所が事前に組み立てた汎用品と、顧客のニーズを反映した専用品を提供。これまで汎用品で約20件、専用品では30―40件の販売実績がある。製造ラインにおける検査工程を全て任される案件も出てきた。
自動車部品などは3次元測定機で検査する場合もあるが、高額なためラインごとに1台ずつ設置することは現実的ではない。空調管理や測定技能も必要になる。同社ではインラインでの使用にこだわった測定器を手がけ、現場の作業員が定期的に検査し品質を担保することを支援する。
自動車部品メーカーには昨今、国際規格「IATF16949」などの品質マネジメントシステムに準拠したモノづくりが求められている。完成品だけでなく製造プロセスでも製品のバラつきを抑える必要があり、同社では工程内で製品や部品を評価する検査具・測定器の需要があるとみている。
同社は、自動車部品のうちトランスミッション(変速機)向け部品の切削加工や組み立てなどが主力。「ピストン」と呼ばれるアルミニウムダイカスト製の輪状の部品を月間数百万個加工している。
- 2023年9月6日
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- 2023年9月4日
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カッター産業(浜松市南区)は、初の自社商品としてハステロイなど耐熱合金の加工に適した超硬合金製エンドミルを発売した。刃の外径が10ミリ、12ミリ、16ミリメートル、刃形は4枚と6枚で、仕様は計6種類。コーティングは変更可能。消費税抜きの価格は仕様によって異なり8000円から。当面は受注生産で対応し、将来は主力である工具の再研磨事業などに次ぐ新たな柱に育てる。
工具再研磨の顧客から、より耐久性が高い工具を求める依頼を受けて開発に着手した。材料メーカーや加工業者からの情報収集から始め、試作品によるテストを重ねながら、耐熱合金の加工に向いた海外製の特殊材料とコーティング、刃の形状の組み合わせなどを見いだした。
刃形は底刃の角度が不均一な「不等分割」と、刃のねじれの角度が2枚おきに異なる「不等リード」で、加工精度に影響が出る振動を抑制する。開発を依頼した顧客が新開発のエンドミルでハステロイを加工したところ、従来使用品に比べて工具寿命が10倍に延びたという。
松本社長は初の自社製品について、「主要顧客である自動車産業以外に耐熱合金の加工など幅広いニーズを探りたい」と狙いを話す。
- 2023年9月4日
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- 2023年9月4日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した7月の車名別新車販売は、トヨタ自動車の小型車「ヤリス」が2カ月連続で首位となった。前年同月比0・9%の微増で1万8854台だった。1万台を超えたのは前年同月より2車種多い5車種で、回復傾向が継続している。2位は2カ月連続でホンダの軽自動車「N―BOX」で、同4・8%増の1万7919台。
上位30車種のうち20車種が前年を上回り、4車種が同2倍以上伸びている。特に、2022年8月にフルモデルチェンジしたトヨタの小型ミニバン「シエンタ」は同5・6倍と大幅な伸びをみせた。
トヨタ車ではハイブリッド車(HV)「プリウス」も23年1月のフルモデルチェンジや3月にプラグインハイブリッド車(PHV)モデルを追加したことなどが奏功し同4・0倍。スポーツ多目的車(SUV)「ハリアー」も22年10月にPHVを新設定するなどで台数を上げ、同3・5倍と好調だった。
軽自動車は22年10月に一部改良したダイハツ工業「タント」が同58・1%増となったほか、スズキ「ハスラー」やダイハツ「ミラ」が大幅増となった。
- 2023年9月4日
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- 2023年9月1日
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日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の7月の工作機械受注実績は、前年同月比20・8%減の284億5500万円となり、5カ月連続で前年を下回った。前月比では8・0%減と、2カ月連続で減少した。金利の引き上げやインフレの影響、景気の先行き不透明感などから、国内外で設備投資を様子見する動きが続いているようだ。
7月からジェイテクトが受注実績を非公表としたため、4社での集計となった。
4社合計の国内は前年同月比25・8%減の85億9300万円となり、9カ月連続で前年を下回った。輸出は同18・4%減の198億円6200万円と3カ月連続で減少した。
オークマは国内で電機産業向けなどで受注の動きがあり、北米では堅調な航空機産業向けのほか、一般産業機械向けなどでも引き合いがあった。全体的に大手企業で設備投資を計画通りに進める動きがある一方、「中小企業を中心に国内外で設備投資を様子見する状況が続いている」(営業部)との見方を示した。
牧野フライス製作所は、国内が自動車や半導体製造装置向けの需要がけん引した前年と比べ低迷したほか、中国では電気自動車(EV)など「新エネルギー車(NEV)向けのまとまった需要が落ち着いた」(経営企画室IRチーム)という。
芝浦機械は国内で造船や金属加工向けが増加したが、産業機械や建設機械向けが減少。超精密加工機はベトナムでカメラレンズ向けが増加したが、国内では光学レンズ向けの受注が減少した。
中国市場に強いツガミは、外需が前年同月比と前月比ともに20%を超える減少となった。
- 2023年9月1日
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- 2023年8月31日
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村田機械子会社の村田ツールは、板金加工時に発生するドロスやスパッタ、バリに対して重切削が可能なディスク式バリ取り機を発売した。独自開発の研磨部材を取り付けたディスクを用い、従来方式では完全な除去が難しかった硬くて大きなドロスなどに対応でき、製品品質の安定化や省人化に寄与する。消費税込みの価格は1350万円。月2台の販売を目指す。
新製品の「DB1000H」は機械内部の前方と後方に2個ずつ研磨ディスクを配置し、ディスクを回転させながら粘着式のコンベヤーに固定した加工対象物(ワーク)を加工する。ディスクはドロスやスパッタ、バリを除去するのに硬い素材を採用したもの2種類と、面取り用3種類を標準で用意。顧客の加工ニーズによって取り替えられる。例えば、前方ディスクでドロスなどを除去してから後方で面取りを行うといった、1度の加工で面取りまで仕上げることも可能だ。
加工をより高精度にするため、摩耗するディスク下面を光電センサーで自動測定。ディスクの高さはプラスマイナス0・04ミリメートル以下に抑えられる。設定した板厚以上のワークを流した場合に機械を自動停止させる機能も搭載。ワークの固定に吸引ブロアを使わず、消費電力を同社従来機比約4分の1、設置面積を同約2分の1に低減できる。
板金加工市場では二酸化炭素(CO2)レーザーからファイバーレーザーへの切り替えが進み、切断される板も厚くなっている。発生するドロスやスパッタなどはより硬く、大きくなってしまい、主流のブラシ式バリ取り機による完全除去が困難となっている。
- 2023年8月31日
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- 2023年8月30日
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ノリタケカンパニーリミテドは、次世代パワー半導体とされる炭化ケイ素(SiC)の半導体基板やデバイスを研磨する工具「LHAパッド」を2024年度から量産する。数億円を投じて夜須工場(福岡県筑前町)に量産ラインを整備。パッド内の砥粒(とりゅう)の回転で研磨するため、加工時間を従来比6割減の約2時間に短縮でき、工具寿命も5倍以上の200時間に伸ばせる。生産時の廃棄物も大幅に減らせる。電気自動車(EV)向けの需要拡大に伴い、試作から量産へ段階が移る。
三好事業所(愛知県みよし市)と松阪工場(三重県松阪市)の試作ラインと人員を夜須工場に移管する。20年から本格販売してきたが、高まる需要に対応できないと判断して量産ラインの整備に踏み切る。需要の増加に応じて、夜須工場での増産も検討する。
LHAパッドは、SiC基板を研磨する砥粒をパッド内の気孔に閉じ込めたもの。砥粒が気孔内で自由に動ける半固定砥粒の構造で、砥粒の回転によって基板を研磨する。これにより加工時間の削減と工具寿命の延伸ができる。研磨液に使う水は再利用できる。
液状の研磨材スラリーを使わない点も特徴。従来の研磨工程では研磨液として、ダイヤモンドやセラミックスを混ぜた特殊な研磨剤スラリーを使うため多量の廃棄物が発生する。LHAパッドによる研磨ではこれがなくなる。足元では中国などの海外EVメーカーからの引き合いが強いという。
- 2023年8月30日
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- 2023年8月29日
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ユーベックは、小型マシニングセンター(MC)用に、クリーン液槽内でも循環濾過することでクーラント液(切削油)中に微細異物やスラッジが残らない精密濾過装置を発売した。独自の精密フィルターを使用し、長期間、新液と同等の機能性を維持できる。複数台のMCに対応する集中クーラントにより、毎日の切粉回収や給液、濃度管理も不要となり、点検や清掃作業を低減しコスト削減につなげられる。
取り付け配管工事を除いた標準価格は、集中クーラントで30―50台連結したMCの場合、1台当たり300―350万円(消費税抜き)。自動車部品メーカーなどに年間10システムの販売を目指す。
ノズル径が1ミリ―2ミリメートルのホルダースルーやスピンドルスルーでも、濾過したクーラント液を2メガパスカル以上の高圧で吐出する。特にホルダースルーは刃先に直接クーラント液を吹き付け、加工対象物(ワーク)に角度や傾斜があっても死角がなくなり深穴や複雑形状での切粉を除去できる。
毎分30―40リットルのクーラント液で吹き流し、高能率の切削加工と同時に洗浄機レベルでスラッジを除去する。摩擦熱が蓄積しにくく工具寿命が2倍以上に延びるという。
高圧クーラントはMCの高圧配管を利用するため、大型タンク不要で省スペース化が可能。切削加工後の洗浄工程をほぼ脱脂のみに簡素化できる。
回収タンク底部のコンベヤーで沈殿物を除去後、円筒状カートリッジフィルターで循環濾過し、20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以上の微細異物を取り去る。
- 2023年8月29日
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- 2023年8月28日
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ニデックマシンツールは、7月1日からインドで切削工具の新工場を稼働開始した。自動車向け歯車などを加工する工具の生産能力を現在比5割増やす。投資額は約5億円。インドの新車販売台数は2022年に日本を抜き世界3位に拡大したほか、建設機械や農業機械のニーズも高まる。現地供給体制を強化し、成長需要を取り込む。
南部タミル・ナド州の同社敷地内に床面積2000平方メートルの工場を新設した。歯車の外歯や内歯を加工するホブ、ピニオン、シェービング、ブローチといった切削工具を生産する。納品までのリードタイムを短縮するほか、生産品目を拡大して幅広い需要に対応する。工具の再研磨や補修といったアフターサービスも拡充する。
また今秋にも新工場内に工作機械のショールーム機能を追加し、歯車機械などの工作機械の販売拠点としても活用する。
インドはアフリカ市場などへの輸出拠点としても4輪車の生産拡大が見込まれ、2輪車でも世界有数の市場規模がある。旺盛な歯車需要に対応するため、切削工場の供給拡大に踏み切る。
- 2023年8月28日
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- 2023年8月25日
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鬼頭精器製作所は、工作機械の主軸ユニットの修理サービスを7月から始めた。同社が受注し、修理作業は工作機械や精密主軸を製造する志賀機械工業が担う。志賀機械工業と協力することで、現在は回転工具のみに展開している修理事業を拡大し、現状約15%の同事業の売上比率を2026年に30%まで増やす計画だ。
鬼頭精器製作所は回転工具を20年以上生産してきたノウハウを生かし、16年に回転工具の修理事業を始めた。新サービスは、自社製の主軸ユニットなどの修理を受け付けていた志賀機械工業との協力で実現。これにより、加工機の周辺機器である回転工具と主軸ユニットの両方の修理ができるようになる。
電気自動車(EV)の拡大でEV関連部品の製造ラインの新設が進むが、エンジン関連部品の製造ラインは既存設備を修理しながら継続的に使うことが見込まれる。工作機械のメーカーやユーザーに広く提案し、増える修理需要を取り込む。
鬼頭精器製作所は工作機械や自動車、航空機などの部品製造や試作品加工を手がける。修理案件は現在月間約80件あるが、年々受注が増えているため、修理担当の技術者の育成にも力を入れる。
- 2023年8月25日
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- 2023年8月24日
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ワルタージャパンは、2023年末にOSGとのチップ交換式超硬ミーリング工具の製造と販売に関する業務提携を解消する。親会社でドイツの大手切削工具メーカーのワルターによる穴開け工具やねじ切り切削工具メーカーの買収で、OSGと競合する製品が増えていた。ワルタージャパンは今後、国内の販売網構築に力を入れ、29年末までに現在の2倍の売り上げを目指す。
OSGが販売を担っている両社共同ブランド「OSGーWALTER」の製品の販売は終了するが、ワルタージャパンが同じ製品を引き続き取り扱う。
OSGとの業務提携は82年に開始。当初、ワルターはチップ交換式超硬ミーリングが主力製品だったが、08年に穴開け工具メーカーの独タイテックス、エンドミルやねじ切り工具を手がける同プロトティップを買収し、OSGとの競合製品が増えた。
08年に販売会社ワルター・ツーリング・ジャパン(現ワルタージャパン)を設立して以来、国内で自前の販売網も整備してきた。今後、ワルタージャパンは代理店を開拓するなど営業体制を強化する。ワルターは1919年にドイツで創業。27年に世界初となる超硬工具を開発した。
- 2023年8月24日
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- 2023年8月23日
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TRINCは、部品供給装置(パーツフィーダー)上に配置して送り出す樹脂製小型部品に付着する異物と静電気を自動で除去する「自動パーツクリーナ」を発売開始した。
従来エアーガンを使っていた作業を、工程を変えずに既設機に後付けして自動化できる。
同社独自のイオンを含むエアー制御技術を応用した。パーツフィーダーのボウルからホースを通じて異物を取り除く「クリーナヘッド」へ吸引し、エアー効果で処理して別のホースから排出する。対応部品サイズは2センチメートル四方で2グラム程度。部品の種類などにもよるが90%以上の異物を取り、1時間で5000個処理できる。直進タイプのパーツフィーダーにも取り付けられる。
樹脂製小物部品の洗浄は、作業者がエアーガンなどで圧縮空気を吹き付けるか、網かごに入れて水洗いするのが一般的。だが、品質のばらつきや乾燥が必要などの課題があった。同製品はこれらの問題を解決しつつ除電するため、静電気による不具合も防げる。
今後は小型、大型の装置開発に加え、金属製部品の処理への対応も進める。
- 2023年8月23日