ーアマダー作業進捗の管理、工場全体で共有
板金加工工場は一般的に生産管理を担う事務所、加工プログラムを作成するプログラム室、加工を担う現場に分かれる。アマダはこの三つの作業場をDXで連携するソリューションとして、現場と事務所を支援するソフト「LIVLOTS(リブロッツ)」を開発した。
事務所では受注に対して製造番号を割り振り、納期や個数などの製造手配を現場にかけ、加工プログラムの作成をプログラム室に指示する。こうした情報はこれまで作業指示書や図面など紙で管理することが多かったが、リブロッツで情報を共有しやすくした。
また生産管理システム、コンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)ソフト、加工機を手がける同社の強みを活用。加工機の稼働データをひも付けるなどして製造番号ごとに作業の進捗も管理できるようにした。山内和幸常務執行役員は「これまで人によって管理していた情報や作業場の工程の進み具合を可視化し、工場全体で共有できるようにすることで、受注から出荷までの効率化などを支援できる」と自信を示す。
商工中金の1月の中小企業設備投資動向調査によると、2024年度の当初計画で設備投資を見込まない企業のうち、必要な人材を確保できないためとした割合が8・9%に達した。日本工作機械工業会の柚原一夫専務理事は「従来は企業収益の悪化などが設備投資を控える主な理由だったが、人材確保が主要項目に上がってきている」と警戒する。人手不足が成長を阻害する一因となりつつあり、DXによる生産性向上の重要性が高まっている。
提供元: (株)アマダマシンツール