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- 2023年3月21日
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牧野フライス製作所は同社製3軸マシニングセンター(MC)向けの自動加工ソフトウエアを発売した。治具研削工程など、精度要求値が高く熟練技能者が担っていたマニュアル作業を自動化し、高い位置決め精度や寸法精度を技能者の技術に依存せずに達成できる。価格は120万円(消費税抜き)。年間30本の販売を目指す。
新ソフト「スマートツール ゼロボーラー」は牧野フライス製作所製立型MC「V33i」「V56i」で利用可能。主に自動車産業の電気自動車(EV)シフトで需要が拡大する精密順送プレス金型用プレート部品加工向けに販売する。
従来、加工精度を得るためには、加工内容や要求値などを基にした最適なプロセス(加工方法、測定、追い込み加工・加工量)の検討を熟練技能者が行っていた。同ソフトはこれらを自動で行い、プログラム作成まで完了させられる。数値制御(NC)操作画面に組み込んだ専用画面から、必要な設定をチェックするだけで円滑に加工を始められる。
C&Gシステムズ製のコンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)システムとの連携が可能。同システムに専用インターフェースを設け、一貫でプログラム作成する。
自動車関連産業はEV化の加速で、モーターをはじめとする大量生産品にはプレス金型などが用いられ、精度要求値が高まっている。従来、熟練技能者がジグ研削盤などで仕上げ加工していたが、金属加工現場の熟練技能者不足が課題となっている。特に研削工程や高精度加工を求める工程で人材・スキル不足が慢性化している。
- 2023年3月21日
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- 2023年3月20日
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ノリタケカンパニーリミテドは、自動車の電動化を見据えて研削と研磨機能を一体化した「複層タイプ」の歯車用砥石(といし)の開発・販売を強化する。静粛性や動力の伝達効率を引き上げる研磨の需要が高まっているのが背景。一つの機械・工程で研削・研磨することで生産性を高めたり、加工対象物(ワーク)脱着による加工位置の微細なズレを防いだりできる点を訴求する。2024年度に本格的な販売活動を始め、30年には同社が販売する歯車用砥石の3割が複層タイプに置き換わる想定だ。
一般的な歯車用砥石は研削のみの「単層」で、後工程として別の砥石で研磨するのが定石。一方、複層タイプは一つの砥石で研削、研磨できるため「設備を1台に集約したり、加工の精度を高めたりできる利点がある」。
ノリタケは研磨面に不織布を使った複層砥石で差別化を図る。不織布に研磨材を混ぜた「研磨布紙」と呼ぶもので「(繊維素材を使った)バフで磨くイメージ」だ。一方、競合が主力とする樹脂を使った「レジノイド砥石」は構造材が強く「研磨するには非常にシビアな設定が必要」な点が弱点という。
複層タイプの製品開発では回転速度を単層と同等に引き上げることも要となる。単層の回転速度は毎秒80メートルが一般的だが、複層は研削と研磨のバランスを保つため低速で運用せざるを得ない。だがノリタケは業界に先駆けて同75メートルまで達した。
電動化の世界では、バッテリーの電力を高効率で動力に変えることが欠かせない。加えて、高級車に求められる静粛性能が大衆車でも必要となることで「研磨の需要が高まっている」と実感を強める。
現在は自動車業界の各社と実証を重ねる段階で、24年度には実用化を目指す考えだ。将来はロボットや建設機械の静粛性向上にも研磨技術が生かされるのではないかとノリタケは推測している。研削と研磨の“二刀流”が電動化の技術開発を進展させる要石となりそうだ。
- 2023年3月20日
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- 2023年3月16日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した2022年の車名別新車販売によると、ホンダの軽自動車「N―BOX」が前年比7・0%増の20万2197台で唯一20万台を超え、2年ぶりに首位に返り咲いた。21年に首位だったトヨタ自動車の小型車「ヤリス」は同20・8%減の16万8557台と落ち込み、2位となった。
一部・全面改良のあった車種の販売が上位に食い込んだ。ヤリスは22年8月に一部改良。3位のトヨタ「カローラ」シリーズは同10月にセダン「カローラ」、ワゴン「カローラツーリング」、小型車「カローラスポーツ」を一部改良した。4位の日産自動車の小型車「ノート」はボディーカラーの追加や装備などを変更し、昨秋に発売した。
このほか、19年11月発売のトヨタの小型車「ライズ」や21年9月に「ワゴンRスマイル」を発売したスズキの軽自動車「ワゴンR」がトップ10入りした。
7車種が10万台を超えた。ただ半導体不足などの影響で、上位30車種のうち18車種が前年割れだった。自動車メーカーでは生産調整が1月以降も続いており、今後も見通しは不透明だ。
- 2023年3月16日
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- 2023年3月15日
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スズキは、カナダのスタートアップ「Inmotive(インモーティブ)」と、電気自動車(EV)向け2段変速機の共同開発契約を締結したと発表した。インモーティブの知見を生かすことで、EV開発において高効率なモーター駆動による航続距離の延長や、電動駆動ユニットの小型化によるコスト削減などにつながるとみている。
インモーティブは2010年にカナダのオンタリオ州トロント市で創業した。独自設計による軽量・小型で高効率な2段変速機を開発している。スズキは同社との協業で、EV向け電動駆動ユニットの性能向上につなげる。
スズキは21―25年度の中期経営計画で研究開発費を計1兆円計上し、EVなど電動車の開発に集中的に充てる方針だ。
今後、トヨタ自動車やダイハツ工業と連携して軽商用EVを開発し、23年度中に発売するほか、インドでは25年までのEV投入を公表している。インモーティブとの協業により、EV開発を加速する。
- 2023年3月15日
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- 2023年3月14日
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ノリタケカンパニーリミテドは、自動車の電動化を見据えて研削と研磨機能を一体化した「複層タイプ」の歯車用砥石(といし)の開発・販売を強化する。静粛性や動力の伝達効率を引き上げる研磨の需要が高まっているのが背景。一つの機械・工程で研削・研磨することで生産性を高めたり、加工対象物(ワーク)脱着による加工位置の微細なズレを防いだりできる点を訴求する。2024年度に本格的な販売活動を始め、30年には同社が販売する歯車用砥石の3割が複層タイプに置き換わる想定だ。
一般的な歯車用砥石は研削のみの「単層」で、後工程として別の砥石で研磨するのが定石。一方、複層タイプは一つの砥石で研削、研磨できるため「設備を1台に集約したり、加工の精度を高めたりできる利点がある」(近藤朋治工業機材事業本部技術本部長)。
ノリタケは研磨面に不織布を使った複層砥石で差別化を図る。不織布に研磨材を混ぜた「研磨布紙」と呼ぶもので「(繊維素材を使った)バフで磨くイメージ」(同)だ。一方、競合が主力とする樹脂を使った「レジノイド砥石」は構造材が強く「研磨するには非常にシビアな設定が必要」(同)な点が弱点という。
複層タイプの製品開発では回転速度を単層と同等に引き上げることも要となる。単層の回転速度は毎秒80メートルが一般的だが、複層は研削と研磨のバランスを保つため低速で運用せざるを得ない。だがノリタケは業界に先駆けて同75メートルまで達した。
- 2023年3月14日
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- 2023年3月13日
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タンガロイは、焼き入れ鋼加工用の立方晶窒化ホウ素(CBN)インサート(刃先交換チップ)シリーズで、浸炭層除去加工向けの「HFチップブレーカ」を改良し、発売した。
切りくずを排出しやすくし、クレーター摩耗も抑制した。計12品を用意。価格は代表型番の「2QP―CNGM120408―HF BXA20」が7964円(消費税込み)。初年度1300万円の販売を見込む。
耐摩耗性や耐チッピング性を高める被膜と、硬度と靭性(じんせい)を両立したCBN母材を組み合わせたインサート材種「BXA20」を使用。最大切り込み1ミリメートルまでの加工に対応する。加工パスの集約や長寿命加工が可能で、生産性を高められる。
- 2023年3月13日
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- 2023年3月9日
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キタムラ機械は、自社製のマシニングセンター(MC)を遠隔から自動運転できる機能「Auto―Part―Producer 5G」の単体販売を2023年4月に始める。インストール費用は700万円(消費税抜き)。
独自のコンピューター数値制御(CNC)装置「Arumatik―Mi」を装備する同社製MCに搭載可能。同機能は既に特定のMCのオプションとして市場投入しているが、対象を他機種に広げて普及拡大を図る。
Auto―Part―Producer 5GはNTTドコモと共同開発した。事務所や外出先から第5世代通信(5G)を介してCADデータを送り、加工プログラム作成のデータ処理をクラウド上で人工知能(AI)が実行。そのデータをリアルタイムにMCに伝送して自動運転をする。
遠隔操作や複数の機械の制御を1人で賄えるようになり、生産現場の大幅な省力化が期待できる。現在はMC「マイトラニオン4G」のみの対応だが、23年4月以降、他機種にも対応する。
キタムラ機械のMCは以前からCNCにCADデータを読み込ませるだけで、MCを自動運転する「Auto―Part―Producer」はオプションで利用可能だった。新機能はそのデータ処理をCNCではなくクラウド上で実行するようにした。
- 2023年3月9日
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- 2023年3月8日
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DMG森精機は大型加工対象物(ワーク)の高精度加工用の横型マシニングセンター(MC)を開発した。高剛性と高い空間精度を兼ね備えることで、安定した高精度加工を実現する。価格は個別見積もり。建設機械や航空機、金型、自動車、エネルギー産業向けに、年間数台の販売を見込む。
新開発の「NHX10000マイクロプレシジョン=写真」は、最大ワークサイズが直径2000ミリ×1600ミリメートル、最大積載質量が5000キログラム。機械ストローク時の自重による変形の影響を算出して高精度に機械案内面の加工を行うとともに、すり合わせによる最終仕上げ工程により、空間精度15マイクロメートル以下(マイクロは100万分の1。従来機種は30マイクロ―70マイクロメートル)を実現した。
フルストローク時の真直度精度は6マイクロメートル以下。Y軸送り軸専用の冷却装置を追加し、熱源となる機器を機械本体から切り離したことで熱変位も低減した。
構造解析によりベッドの剛性を大幅に高めるとともに、3点支持構造により、長期での加工精度安定と据え付け作業時間の短縮が見込める。
また、主軸やワークへの接近性が向上。治具調整などの段取り替え作業の負荷を低減できる。クーラントタンク内の微細なスラッジを高効率に回収する装置を標準搭載し、清掃頻度を少なくでき、メンテナンスによる機械停止時間と費用を大幅に減らせる。
- 2023年3月8日
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- 2023年3月7日
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タンガロイは、内径溝入れ用工具「アド・インターナル・カット」用インサート(刃先交換チップ)の溝幅を大幅に拡充し、発売した。より幅広い内径溝入れ加工に対応する。価格は主要型番の「TCIG10―050―005AH725」が2442円(消費税込み)。初年度1800万円の販売を見込む。
発売したのは最小溝幅0・5ミリメートルのインサートのほか、日本産業規格(JIS)のOリングやスナップリング用溝加工に最適な溝幅1・22ミリ―2・77ミリメートル用の計8製品。
アド・インターナル・カットは、経済的で高精度な研削級4コーナー仕様インサートを採用。工具剛性と良好な切りくず排出性を両立させたクランプシステムにより、安定した刃先位置精度で高精度内径溝入れ加工を実現する。インサートは最小加工径10・5ミリメートルに対応するTCIG10形と、最大溝深さ3ミリメートルが可能な同12形の2シリーズをそろえる。
- 2023年3月7日
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- 2023年3月6日
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住友電気工業は低コスト・高品質に小型部品を加工する切削工具「小径ボーリングバイトSEXC型」のインサート(刃先交換チップ)に、物理気相成長(PVD)で被膜した超硬の「AC1030U」と、サーメット材種の「T1500A」を加え、発売した。消費税抜きの価格はAC1030Uが2140円、T1500Aが1650円。
鋼やステンレス鋼をはじめ、焼入鋼以外の加工ニーズに向く。AC1030Uの特徴は鋭利な切れ刃形状と高密着で平滑な被膜。T1500Aではサーメット組織内で粒子サイズを最適に制御した。いずれも高度な切れ味を長時間維持する。加工径を4ミリメートルに最小化したほか、刃先の位置決めも高精度とした。
- 2023年3月6日
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- 2023年3月3日
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日本電産マシンツールは、切削工具用の外観検査装置を外販を開始した。自社製工具の品質検査用に開発した装置を商品化し、顧客と工具メーカー向けに販売開始。目視で行っていた外観検査を自動化できる。検査時間の短縮が見込めるとともに、摩耗状態などの適切な把握により、工具使用期間の長期化や生産性向上にもつなげられる。
日本電産マシンツールは歯車機械や門型5面加工機などの工作機械事業のほかに、歯車加工用のホブやシェービングカッター、ブローチなどの精密切削工具も生産・販売している。今回の外販は、工具のサポートサービス向上の一環。工具メーカーとして、自社開発している検査装置の外販は初めてという。
販売する検査装置は、ホブ用の「ロボットカメラスピード」とブローチ用の「ロボットカメラマックス」の2機種。標準価格は各4000万円(消費税抜き)で、2機種合わせて年間5台の販売を見込む。
工具の切れ刃をデジタルカメラを用いて高速・高精度に撮影し、画像データとして保存。工具の性能などを入力することで、さまざまな形状の工具の撮影箇所を決めて、切れ刃先端の欠損やコーティングの剝がれ、摩耗状態など外観の正常・異常を判定する。同社では検査時間を10分の1以下に短縮できているという。
ロボットカメラスピードは、ストレート刃溝とスパイラル刃溝、外径20ミリ―130ミリメートル、全長50ミリ―350ミリメートル、重量20キログラムまでのホブカッターに対応する。ロボットカメラマックスは、最大直径200ミリメートル、長さ2300ミリメートル、重量300キログラムの大型・長尺の工具を搭載可能。ストレートやヘリカルなど刃並びを問わず撮影できる。
ユーザーの工具外観検査は目視で行われることが多い。その際、工具の摩耗量が許容範囲であっても交換してしまったり、欠損の見落としによる品質不良につながったりする課題もあるという。
- 2023年3月3日
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- 2023年3月2日
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中村留精密工業は、自社製操作盤「NT SmartX」を搭載した工作機械に、新機能として「パスチェッカー」を追加した。プログラム作成段階で爪、加工対象物(ワーク)、刃先経路の干渉確認ができる。完成度の高いプログラムをより早く作成することが可能で、生産効率の向上に貢献する。
従来、プログラム作成中に刃先経路を確認するためには、プログラム作成画面からシミュレーション画面に移行しなければならず、プログラムチェックや機械干渉確認などに時間を要していた。
新機能はその時間を省き、プログラムを編集しながら刃先経路などの干渉確認を行える。さらに画面上の経路部分に触れることで、プログラム中の該当箇所にカーソルが自動で移動する機能を搭載。素早く該当箇所を確認・修正でき、プログラム作成の工数削減につなげられる。
- 2023年3月2日
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- 2023年3月1日
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住友電気工業は切りくず処理と加工安定性が高い切削工具のインサート(刃先交換チップ)「微小切削用ポジティブG級チップブレーカ『FF型ブレーカ』」を発売した。消費税抜きの価格は同社従来品と同じに設定し、標準品種の「DCGT11T302MN―FF(AC1030U)」が2750円。
突起やポケット形状など微小切削に最適化した形状設計で、特に切り込み0・5ミリメートル以下での切りくず処理性を向上した。切りくず処理が不安定になりやすい切り込み変動加工でも、切りくず処理の能力を上げた。自動旋盤の小径精密部品加工に多いならい加工やテーパー加工の安定性を増す。販売計画は初年度9000万円、2年後に年2億7000万円。
- 2023年3月1日