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- 2022年7月1日
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OSGは超硬ドリルなどを作るマザー工場の「NEO新城工場」で、微細精密加工向け工具の生産能力を2024年までに現状より3―4割増やす計画を示した。微細精密向けの生産強化で第5世代通信(5G)や半導体、電気自動車(EV)関連などの成長市場の取り込みを図る。
このほど開いた同工場の見学会で大沢伸朗社長が明らかにした。同工場は現在、生産能力の3割ほどが微細精密加工向け。これを「2年の間に3割から4割増強する計画を進めている」として、微細精密加工向けの比率を4割程度に引き上げる考えを示した。
また、タップの生産拠点の八名工場、超硬エンドミルの大池工場も微細精密加工向けを増強する方針だ。同社は3ミリメートル径以下のドリル、6ミリメートル径以下の超硬エンドミルを微細精密加工向けと定義している。
NEO新城工場は新棟を新たに建設するとともに旧棟を刷新し、20年5月に完工。当初は同年秋に見学会をする計画だったが、コロナ禍で延期していた。今回、下江洋行新城市長ら地元関係者や報道陣を招いて開催。完工から約2年たってからのお披露目となった。
- 2022年7月1日
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- 2022年6月30日
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ジェイテクトは4月から事業ブランドを「JTEKT(ジェイテクト)」に統一した。自動車部品や軸受、工作機械の事業連携を加速する狙い。各事業の強みを生かして新たな付加価値や相乗効果を生み出す。コロナ禍もあり事業環境の変化が一層激しくなる中、ブランド統一を新潮流を乗り越える原動力にする。
「強みは多くのシーズがあること。事業間の壁を取り払って有効にシーズを使えば、より良い仕事ができる」。佐藤和弘社長はブランド統一の意義をこう強調する。
2006年に光洋精工と豊田工機が合併して誕生したジェイテクト。主に軸受が「Koyo」ブランド、工作機械で「TOYODA」ブランドを展開。各事業が独自に事業成長を目指し、グループ全体での競争力の強化は十分とは言い難かった。ブランド統一を通じてさまざまな連携を促し、シナジーの創出につなげる。
連携で期待する取り組みの一つが、21年11月に刈谷工場で開設した歯車開発センター「ギヤイノベーションセンター」だ。電動化の進展を捉えて、電動駆動モジュール「eアクスル」向け歯車など新たな需要を狙う。ジェイテクトグループの加工技術などを結集し、高付加価値の歯車製品を提案する。
生産面での連携にも乗り出している。ステアリングを生産する奈良工場では、工作機械・システム事業が手がけるプログラマブルロジックコントローラー(PLC)を活用したスマートファクトリー化の実証実験に取り組む。IoT(モノのインターネット)技術を活用し、稼働状況などの情報をきめ細かくデータ化して生産性を高める。
リチウムイオンキャパシターでは、トヨタ自動車向けに電池生産設備を手がけているモノづくり力の強みを生かす考えだ。
ジェイテクトは企業体質の強化に向けて「リボーン」(競争力の再構築)に取り組んできた。例えば、20年12月に実施した名古屋市からトヨタグループ各社が集積する愛知県刈谷市への本社移転。「20年6月に社長に就任して4日で決めた」とスピード感を持ってさまざまな改革を進めてきた。
自動車業界は変革期にあるうえ、コロナ禍も重なり、事業環境の変化はめまぐるしい。佐藤社長は「何が起こるか分からない中で生き残るには、競争力がないといけない。ブランド統一による連携が原価低減の強化や未来への種まきにつながる」と語る。
- 2022年6月30日
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- 2022年6月29日
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DMG森精機は、米国北東部の新たな販売・サービス拠点として、マサチューセッツ州に「DMGMORIボストン」を開設。米国で同拠点は11カ所目。ショールームも設け、最新の工作機械や生産支援システムも提案。現地での販売・サービスにとどまらず、グローバルで顧客への新たなデジタル機器・システム、プロセスを提供する拠点に位置付ける。
新拠点は1階建てで、ボストン近郊のサマービルに新設した。営業やエンジニア、研究開発者ら社員約140人で、今後もデジタルや人工知能(AI)、積層造形(AM)関連人材の採用を進める。複合加工機やマシニングセンター(MC)、デジタル関連システムなども展示し、顧客や社員の研修にも活用する。
資本・業務提携するソフト開発ベンチャーのチューリップインターフェーシズも入居。同社の製造支援ソフトウエア作成基盤「チューリップ」を活用した工程のデジタル化提案を推進する。
新拠点の周辺には医療や航空宇宙、ハイテク関連企業が立地し、マサチューセッツ工科大学などの技術系大学も近い。
DMG森精機が注力する自動化とデジタル化の研究開発への貢献も見込まれる。
- 2022年6月29日
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- 2022年6月28日
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三菱マテリアルは欧米の超硬工具市場を深耕する。顧客の工作機械に「新切削加工モニタリングシステム」(MICS)を装着し、工具の摩耗や欠損原因を診断したり、最適な加工条件を割り出したりする。デジタル技術を活用したソリューションでチタンやインコネルなど難削材加工の生産性向上を訴求し、自動車、航空宇宙、医療機器中心に超硬工具部門の売上高を年率約7%伸ばす。
三菱マテリアルは超硬切削工具で交換式、一体式を品ぞろえする。同部門売上高(20年度は1200億円程度)の約4割を占める欧米市場で難削材加工領域を開拓し、成長につなげる。欧米では年に数社から十数社にMICSの導入を目指す。
MICSは工作機械の制御盤に取り付け、センサーで把握した工具の摩耗度データなどを収集・分析。リアルタイムの工具監視で最適な交換時期や切削の最適条件を示し、工具費などのコストダウン、省人化、設備停止防止につなげる。海外に先行して日本の一部ユーザーでMICSを装着済み。一度設定すればデータ収集・分析が容易で、さまざまな展開が可能だ。
同社は航空機や自動車関連顧客が集積する独シュッツガルト、スペイン・バレンシア、米ノースカロライナにソリューション・研修拠点を持つ。コンピューター利用解析(CAE)による切りくず解析、加工パスのシミュレーションなどを通じ、日本式にキメ細かく最適な加工技術や生産性向上策を提案する。
- 2022年6月28日
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- 2022年6月27日
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日本精密機械工業会がまとめた2022年1―3月期の小型工作機械受注実績は、前年同期比16・8%増の440億2408万円と6四半期連続の増加となった。統計結果がデータ化された03年以降では、2018年1―3月期の462億8201万円に次いで過去2番目の受注額に達した。半導体関連や自動車向けを中心に旺盛な需要が続き、輸出が伸長。国内でも需要回復に加え、期末効果によって受注が押し上がったとみられる。
400億円を上回ったのは、21年4―6月期(439億6042万円)以来3四半期ぶり。また前四半期との対比でも3四半期ぶりの増加だ。
機種別では、数値制御(NC)小型工作機械が前年同期比12・6%増の373億8780万円だった。そのうちNC小型旋盤が同10・1%増の245億2274万円で、受注総額の5割以上を占めた。そのほか、NC小型研削盤が同86・7%増の38億6091万円、NC小型フライス盤が同9・2%増の13億2650万円と堅調に推移した。
一方で、小型マシニングセンター(MC)は同6・7%減の12億5960万円で、NC小型工作機械の主要機種別では唯一の減少となった。
非NC小型工作機械は同32・0%増の20億7719万円だった。
また輸出総額は同13・8%増の300億6574万円だった。国内需要の回復などもあり、輸出比率は同1・8ポイント減少の68・3%となった。
- 2022年6月27日
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- 2022年6月24日
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長谷川機械製作所は、1台で旋削とミーリング加工ができる旋盤「CW42MY」を開発した。通常、別工程で行う加工を1台で完了して生産を効率化できる。価格は2000万円(消費税抜き)。
自動車部品や半導体関連、医療機器部品などの加工用途を想定している。旋削のみの機種「CW42」も1500万円(同)で同時期に投入する。2023年9月までに2機種で30台の販売を目指す。
電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の普及に伴い、従来の部品より生産品目の多様化が進んでいる。長谷川社長は「顧客からは多品種変量生産と、工作機械の工程集約が求められている」と説明する。そこで今回、1台で2役をこなす新製品を開発した。
旋削だけでなく安定したミーリング加工を実現するため、従来機のタレットの構造に工夫を加えたことで開発に成功した。2機種ともに主軸の最高回転数は毎分6000回。装置の寸法は、幅2・6×高さ1・63×奥行き2メートル。10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の細かな加工が可能だ。
オプションとしてファナック製の協働ロボットを搭載でき、自動化にも対応した。このほか、長い切り粉を分断して処理を容易にする「振動切削」も搭載できる。
- 2022年6月24日
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- 2022年6月22日
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三菱マテリアルは、両面インサート式汎用肩削りカッター「WWX400シリーズ」に、精密級Mインサートとワイパーインサートを追加し、発売した。仕上げ面精度向上のニーズに対応する。価格は代表型番の「6NGU1409040PNER―M MP6120」が2112円(消費税込み)。
発売したのは精密級Mインサートが16アイテム、ワイパーインサートが3アイテム。精密級Mインサートは、切れ刃稜線(りょうせん)部に加えてインサート側面も研磨することにより、仕上げ面精度を高めた。ワイパーインサートは2コーナーが使用可能。通常のインサートにワイパーインサートを1枚だけ取り換えて使うことで、高品位な仕上げ面精度を実現する。
同シリーズは両面6コーナーの「X形状」を採用。両面6コーナーを使える経済性と、さらい刃を大Rとすることで、無研磨級のインサートでも良好な仕上げ面が得られる。
- 2022年6月22日
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- 2022年6月20日
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タンガロイは、ネジ切り加工用工具「タング・スレッド」のレイダウンタイプST形インサート(刃先交換チップ)に、「AH8015」材種を追加し発売した。価格は代表型番の「6IR10ISOAH8015」が2090円(消費税込み)。初年度1400万円の販売を見込む。
AH8015は、耐摩耗性と耐チッピング性を両立した物理気相成長(PVD)コーティング材種。鋼やステンレス鋼のほか、難削材など幅広い被削材のネジ切り加工に適用できる。
今回、同インサートにおいて、60度および55度の汎用ネジ用、ISOメートルネジからユニファイネジ、管用テーパネジまで幅広いネジ形状に対応するアイテムに同材種を設定した。
- 2022年6月20日
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- 2022年6月17日
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トヨタ自動車が初の電気自動車(EV)専用車「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」を市場投入することを踏まえ、デンソーや豊田自動織機、アイシンなどトヨタグループ各社もEV向けユニットに本腰を入れ、小型化や軽量化、機能集約化などでEVの走行や乗り心地、電費を支える。各社は供給体制の整備や技術開発を加速し、EVの普及を後押しする構えだ。
デンソーとアイシンがトヨタと共同出資するブルーイーネクサスは、高い動力性能と小型化を実現し、車両の電費向上に貢献する「eアクスル」を同社として初投入した。前輪駆動車向けの150キロワット仕様と4輪駆動車向けの80キロワット仕様の3機種を開発した。
eアクスルはモーターとインバーター、減速機などを一体化したモジュール。自動車メーカーはEVの開発・生産工数を減らせるなどの利点がある。3社が開発したeアクスルはインバーターをトランスアクスルに内蔵する「ビルトイン構造」などにより「フロントは前後方向の長さ、リアは高さを低減した」(ブルーイーネクサス)と説明する。
冷却やインバーターの積層両面技術進化により出力密度を向上し、長時間・高トルクで出力可能な動力性能を実現。モーターの最適磁気設計や低粘度オイルなどで電費の向上も図る。
eアクスルの開発・供給はEV普及とともに競争が激化する。日本電産は大型設備投資を進め、IJTTは商用車向けeアクスルを開発する。アイシンもeアクスルなどに取り組む人員を拡充する。
デンソーはbZ4X向けに充電・電力変換・電力分配の機能を集約した「ESU」や大気の熱をエアコンの熱源にする「高効率エコヒートポンプシステム」を供給する。内燃機関を持たない電気自動車はバッテリーが唯一のエネルギー源。ヒートポンプにすることで「EVの航続距離は20―30%伸びている」(デンソー)と熱管理の有効活用がカギになると話す。
豊田自動織機は車載充電器とDC―DCコンバーター(電圧変換器)を一体化した新ユニットを完成。充電機能と電力変換機能を担う。一体化したことで別体に比べ、23%の小型化と17%の軽量化を可能にした。
このほかアイシンでは床下電池ケースの側部に組付けて衝突時に電池を保護する「ロッカーEA材」などを展開する。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を実現するには車の電動化が必須。電動車向け部品の開発も熱を帯びている。
- 2022年6月17日
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- 2022年6月15日
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工作機械主要7社の2021年度の工作機械受注高は、前年度比76・7%増の4826億5000万円となった。新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退からの回復が進み、3年ぶりの増加となった。3月単月も前年同月比で増加を維持。伸び率は若干の鈍化傾向にあるものの、足元の引き合いの強さなどから、受注額は今後も高い水準が続きそうだ。
21年度は全社が国内、輸出、総額の全項目で増加した。20年度から回復基調が続く中国のほか、年度を通じて欧米やアジア、日本でも自動化・省人化やデジタル化への設備投資の動きが拡大。半導体製造装置や自動車関連をはじめ幅広い業種で旺盛な需要を取り込んだ。
中国市場に強いツガミは「中国は業種全般が好調で、特に電気自動車(EV)やIT機器関連向けが多い」という。米国は主に半導体製造装置や自動車、航空機が好調で「21年度は高水準を維持した」。また国内では「自動車向け金型の回復も見られた」という。
3月単月は前年同月比37・7%増の485億8000万円で、16カ月連続の増加となった。2月まで50%以上を示してきた増加率が落ち込んではいるが、牧野フライス製作所は「しばらくは受注額で高い水準を維持する」とみる。
中国は好調を持続しており、オークマでは「高精度な機械を求める動きが一段上がったことで、台湾製や中国製機械からの買い換え需要を取り込めている」という。ジェイテクトも「中国で新エネルギー車が引き続き増加した」。
また芝浦機械は唯一の前年同月比減少となったものの、4月も引き合いが多くあり「これまでの好調な流れは変わっていない」としている。
- 2022年6月15日
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- 2022年6月13日
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ブラザー工業は小型マシニングセンター(MC)「スピーディオ」の新モデルを2シリーズ発売したと発表した。高生産性を追求した「Sシリーズ」と高速2面パレットチェンジャーを標準搭載した「Rシリーズ」で、いずれも約3年ぶりのモデルチェンジとなる。最新のコンピューター数値制御(CNC)装置を載せ、操作性を高めたほか、さまざまな機能を向上させた。消費税抜きの価格はSが720万円から、Rが871万円から。
新CNC「CNC―D00」で制御を向上させ工具交換時間を短縮。従来より生産性を約1%向上させた。Rではさらにテーブルの回転時における加減速制御の最適化などでパレット交換時間を0・2―0・3秒短縮させた。
新CNCはタッチパネル式の15インチ液晶で直感的な操作性を実現した。すべての操作の起点となるホーム画面を新設。使用頻度の高い情報を集約化したり、消費電力や稼働率などの情報を見える化するアプリを用意したりして、使いやすくした。また、両シリーズとも工具を28本搭載できる仕様を追加した。
- 2022年6月13日
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- 2022年6月10日
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タンガロイは、ネジ切り加工用工具「タング・スレッド」のレイダウンタイプST形インサート(刃先交換チップ)に、「AH8015」材種を追加し発売した。価格は代表型番の「6IR10ISOAH8015」が2090円(消費税込み)。初年度1400万円の販売を見込む。
AH8015は、耐摩耗性と耐チッピング性を両立した物理気相成長(PVD)コーティング材種。鋼やステンレス鋼のほか、難削材など幅広い被削材のネジ切り加工に適用できる。
今回、同インサートにおいて、60度および55度の汎用ネジ用、ISOメートルネジからユニファイネジ、管用テーパネジまで幅広いネジ形状に対応するアイテムに同材種を設定した。
- 2022年6月10日
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- 2022年6月9日
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ヤマザキマザックは、中大型の加工対象物(ワーク)に対応し、重切削・高精度加工が可能な立型マシニングセンター(MC)「VCN―460」「同600」を発売した。Y軸ストロークとテーブルサイズの伸長で積載可能なワークサイズを拡大。重切削における加工能力を大幅に高めた。消費税抜きの価格は「460」が1510万円から、「600」が1760万円から。両機種合わせて年間400台の販売を目指す。
「460」のY軸ストローク・テーブル奥行きは460ミリメートル。「600」は600ミリメートル。いずれも従来機より増え、金型に使うモールドベースなどの高効率加工に対応する。また、主軸は切削能力を約50%高めた毎分1万2000回転の高トルク主軸を採用し、高い重切削能力を実現した。毎分1万8000回転のオプションも用意し、アルミニウム加工や金型加工の高効率・高精度化が可能。
コンピューター数値制御(CNC)装置は「マザトロール・スムースEz」「同G」から選べる。Ezはコンピューター利用製造(CAM)ソフトウエアとの高度な連携機能を備え、段取り時間を削減する。
- 2022年6月9日