6月の工作機械受注、0.5%減 9カ月ぶりマイナス
日本工作機械工業会(日工会)が発表した6月の工作機械受注総額(確報値)は、前年同月比0・5%減の1331億6300万円と、9カ月ぶりに減少した。中国や北米を中心に外需は高水準を維持したが、横ばい圏内が続く内需の減少を補えなかった。一方、1―6月期(上期)は前年同期比5・1%増の7775億4000万円。外需がけん引し、上期として3年ぶりに増加に転じた。
6月単月の主要地域別では、中国が前年同月比1・5%増の321億円と15カ月連続で増加した。業種別では自動車向けが同40・3%増の122億円と増えたが、一般機械向けは同9・3%減の121億円、電気・精密向けは同1・3%減の52億円と低調だった。
インドは同10・5%増の51億円と2カ月連続で増加。通信機器向けの特需があったベトナムは同3・8倍の29億円だった。台湾や韓国などの減少でアジア全体では15カ月ぶりに減少したが、日工会の坂元繁友会長は「引き続き力強く推移している」との見方を示した。
米国は同16・5%増の249億円と5カ月連続で増加。北米全体では建機や車向けの大型受注が剥落したが、「航空宇宙関連や大手ジョブショップなどからの受注が増加し、高めの受注水準を保った」。
内需は前月比で一般機械向けが16・4%増、車向けが44・7%増、電気・精密向けが21・5%増と盛り返す動きも見られた。
今後について日工会では、中国で一部有力車メーカーを中心とした設備投資の流れが落ち着く可能性はあるが、他の機械部門も含め活発な投資が続くと予想。インドは車向けなどでの旺盛な成長需要、北米では車や建機、航空宇宙関連向けでまとまった受注が見込まれるとの見方を示す。
日工会は2025年の工作機械の年間受注総額を前年比7・7%増の1兆6000億円と見通す。坂元会長は米国の関税政策の影響を受ける可能性はあるが、「下期は上期を幾分上回る受注を確保できると見込んでいる。最終的に1兆6000億円を達成できるものと期待している」と述べた。