トヨタG主要部品7社の通期見通し、6社が計画値据え置き
トヨタ自動車グループ主要部品メーカー7社が発表した2026年3月期連結業績予想は、デンソーが売上高を上方修正した以外は6社が4月公表の計画値を据え置いた。トランプ米政権による関税政策の影響が収益の下振れ要因になるが、各社は生産地の最適化や物流の効率化、顧客への価格転嫁交渉を進め、影響を最小化する。
通期の関税影響として、デンソーは営業利益ベースで最大1300億円の下振れを見通す。松井靖副社長は「米国で生産するものを見極めるなどして(関税影響を)縮減する。どうしても残る場合は価格転嫁する」と語る。価格転嫁は一定の「期ずれ」が発生することもあり得るが、全額の反映を目指す。
アイシンは通期の関税影響を期初予想の200億円で維持した。自助努力として物流効率を高めるなどの対応を進める。現状、メキシコやカナダへの輸送を米国経由にしているが「各地に直接送ることも検討する」とグループ経営戦略本部の福重友治執行幹部は語った。
このほか豊田自動織機は500億円、ジェイテクトは300億円、トヨタ紡織は70億―100億円、豊田合成は90億円の関税影響を通期で想定する。各社ともに低減努力や価格転嫁で相殺する方針。愛知製鋼は一定のリスクはあるが影響は少ないとした。
25年4―6月期連結決算では各社の製品構成などにより、業績にバラつきが出た。ただ、前年同期比で為替が円高に推移した影響はあるが、米国や中国は需要が堅調に推移し、日本も回復傾向にある。欧州は弱含みであるものの、トヨタ紡織の鈴木浩之最高財務責任者(CFO)は「(4―6月期は)順調に生産ができた。通期も順調に進むとみている」との認識を示した。
4―6月期では関税による営業利益の押し下げ影響としてデンソーは125億円、アイシンは85億円、豊田織機は35億円、ジェイテクトは20億円、豊田合成は15億円、トヨタ紡織は5億円をそれぞれ計上した。