OSG、超硬エンドミル生産3倍 茨城と愛知で分担
OSGは子会社のOSGグラインドテック(旧エスディ製作所)が建設し、稼働した新工場(同)で生産を始めた超硬エンドミルの月間生産能力を2028年度に現状比3倍の3万本に引き上げる。OSGは建て替え中の大池工場(愛知県豊川市)で超硬エンドミルの大ロット品、グラインドテックで小ロット品とグループ内をまたいで生産分担し、供給体制を強化する方針で、その一環。新工場には増設用の敷地を確保済みで将来の一層の増産にも備える。
OSGグラインドテックの新工場は26億円を投じて建設。敷地面積約2万8000平方メートル、延べ床面積約6400平方メートル。老朽化していた旧工場から移転・拡張した。
1月に稼働し、もともとの主力製品であるネジ転造丸ダイスの生産と切削工具の再研磨事業を開始。その後、OSGから工具研削盤などの設備を移設し、3月に超硬エンドミルの生産を始めた。
今後、研削盤などを段階的に増設し、超硬エンドミルの生産能力を高める。グラインドテックの足元の月間売上高に占める超硬エンドミルの比率は25%程度だが、28年度には50%以上に拡大する見通し。
超硬エンドミルはサイズや用途に応じた種類が多い。OSGは建て替えの第1期工事分が今夏に稼働予定の大池工場を、そのマザー工場と位置付けるが、すべての種類を生産するのは効率が悪い。
そのため2拠点間で分担生産体制を敷く。大池工場はデジタル変革(DX)により自動化・省人化を図り、大ロット品の量産に特化。一方、小ロット品については段取り替えを頻繁に行う転造丸ダイス生産と再研磨事業で経験豊富なグラインドテックが担い、大池工場を補完する。