乗用車8社、上期の世界生産0.7%増 米関税で駆け込み需要
乗用車メーカー8社が発表した2025年上期(1―6月)の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同期比0・7%増の1193万9512台で2年ぶりに前年超えとなった。ハイブリッド車(HV)などの需要が堅調でトランプ米政権の関税政策に伴う駆け込み需要も追い風となった。中国・アジア市場は苦戦が続き、全体では微増となった。
世界生産はトヨタ自動車、ダイハツ工業、SUBARU(スバル)の3社が前年超え。トヨタは北米、中国、日本などが好調で23年上期以来、過去最高を更新した。ダイハツは前年の認証問題からの反動で前年同期比35・4%増と伸長した。一方で日産自動車、ホンダ、三菱自動車、マツダ、スズキの5社は前年割れとなった。
好調だったのが米国だ。米国販売はトヨタが底堅い需要を背景にHV販売が好調で同4・2%増。マツダは開示する04年以降で過去最高だった。3―4月に駆け込み需要があり、スポーツ多目的車(SUV)「CX―50」のHV追加やSUV「CX―70」「CX―90」の販売が増えた。
中国・アジアは苦戦が続く。中国生産は日産が同20・9%減、ホンダが同23・1%減でともに4年連続の前年割れ。日産はセダン「シルフィ」やSUV「エクストレイル」の台数減が響いた。ホンダは「新エネルギー車(NEV)市場拡大や価格競争激化などの販売影響を受けた」と説明。三菱自はタイ生産が同32・3%減と低調だった。
8社合計の6月単月の世界生産は前年同月比3・4%増の199万5876台となり、2カ月ぶりに前年同月実績を上回った。ホンダ、マツダ、スズキを除く5社がプラス。日産は13カ月ぶりに前年同月実績を上回った。