京セラ>鋳鉄旋削用インサート発売 高耐摩耗の新材種開発
京セラは鋳鉄旋削用インサート(刃先交換チップ)の新材種を発売。
鋼旋削用材種向けで確立したコーティング技術などを基に、新開発の鋳鉄向け母材・コーティング技術を採用。
鋳鉄は高硬度で黒皮(酸化皮膜)や断続部の加工が多く、インサートの欠損や摩耗の早さが課題となっている中、すくい面と逃げ面とでコーティング膜を最適化し、鋳鉄旋削時の耐摩耗性と耐欠損性を両立しました。
新材種は、連続加工に向く「CA410K」、断続加工に向く「CA415K」のそれぞれで157型番を用意。
被削材の切りくずを送り出す黒色の「すくい面」は、コーティング膜の剥離を抑えることを重視し、独自の表面処理技術でチッピングを抑制します。加工対象物(ワーク)と接する「逃げ面」は金色の膜の硬度を高め、耐摩耗性を向上しました。
すくい面、逃げ面ともに柱状炭窒化チタン(TiCN)膜とアルミナ膜の中間層の粒子を微細化し、両膜の密着力を向上。摩耗や膜剥離の抑制と安定加工につなげます。
新開発の超硬母材は表面のコーティング面側の靭性を高め、母材のクラックの進展を小さくし、母材ごとコーティング膜が剥離するのを防ぎます。
提供元: 京セラ