大昭和精機、調整装置を開発 工具振れ1マイクロメートル以下に
大昭和精機は、マシニングセンター(MC)内に設置する撮像式機内工具測定器と振れ調整ホルダーを組み合わせて、工具の動的振れ精度を1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下に調整できる「Dyna ZEROシステム」を開発、受注を始めた。
主軸高速回転中の動的振れを高精度測定し、半導体製造装置部品や光学部品金型の鏡面加工など精密切削加工ニーズに対応する。価格は従来機と同等。初年度200台以上の販売を見込む。
新システムは測定器「Dyna ZERO Vision」と振れ調整ホルダー「Dyna ZERO Chuck」を併用。測定器はカメラヘッド、制御パソコン、コントローラー、モニターで構成する。
回転するヘリコプターの羽根が止まって見える現象の「ストロボ効果」を応用した。高速回転する工具を疑似低速化して撮像し、高精度に動的振れを測定。最高12万回転まで対応可能という。
同効果でエンドミルなど工具各刃のR形状など高速回転中の摩耗状態も把握する。チップ式工具などは刃先高さのバラつき具合も確認できる。従来は工具のつかみ直しなど振れ修正作業に数時間かかることもあったが、新システムは数分程度で済む。
調整ホルダーはネジで振れ調整が可能。測定器の計測結果と照合し、ホルダー周囲の調整ネジを最大トルク60センチニュートンメートルで締め付けられる。