工作機械受注、1―6月64%増 主要7社がプラス
日刊工業新聞社がまとめた1―6月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同期比64・4%増の1962億1700万円だった。前年同期は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が直撃したが、その後の中国を中心とした設備投資の回復を受け、全社が増加となった。足元では幅広い業種・地域に回復の波が広がっており、2021年後半も引き続き好調な受注水準が期待される。
総額、国内、輸出のすべての項目で全社が増加となった。7社合計の輸出は前年同期比98・3%増で、好調が続く中国を中心に全体をけん引した。中でも、中国市場に強いツガミは総額が同2・5倍、輸出が同2・7倍と大幅に増加した。そのほか、OKKと芝浦機械も輸出が高い伸び率となった。
1―6月はおおむね、月を追うごとに増加基調を示している。要因としては、中国の好調持続に加えて欧米や日本でも設備投資回復の動きが強まってきているためだ。
オークマは6月単月の受注総額が112億円と、2カ月連続の100億円超え。国内は半導体製造装置を中心に伸びており、輸出も中国、欧米で増加。「どこかの地域に偏らずに全般的に受注が上がっている」という。
牧野フライス製作所も国内外ともに好調で、6月の受注総額は2カ月連続で80億円を上回った。輸出に関しては、中国でのIT機器関連向けや米国の自動車向けが伸び、4―6月累計が約160億円と期初計画を大幅に上回ったという。
また芝浦機械は6月単月の輸出が同6・1倍。アジアで横中繰り盤や超精密加工機を受注し、米国でもインフラ・発電・産業機械向けに横中繰り盤と立旋盤の受注があった。
7―12月も引き続き堅調な受注環境を見込む声が多い。牧野フライス製作所は「中国がけん引役になって好調な水準が続く」とみる。三菱重工工作機械も「外需は中国以外の地域で商談が動き始めた様子がうかがえる」とし、今後の案件具体化が期待される。