1-6月期の工作機械受注、15%減 2年ぶり8000億円割れ 内外需マイナス
日本工作機械工業会(日工会)が20日発表した1―6月期の工作機械受注実績(確報値)は、前年同期比15・7%減の7684億3700万円で5半期ぶりの減少となった。1―6月期の8000億円割れは2年ぶり。内需で幅広い業種が落ち込むなど、内外需ともに減少。過去2番目の受注実績だった前年同期からは落ち込んだものの、受注額は高水準を保った格好だ。
同日都内で会見した稲葉善治会長(ファナック会長)は「主要業種の需要動向が伸び悩む中で、一定の設備需要が下支えになることを確認できた半年だった」と分析。7―12月期について「7―8月も一進一退の状況が予想されるが、秋口以降の緩やかな反転を期待している」と述べた。
内需は前年同期比19・9%減の2520億8300万円で3年ぶりの減少。3000億円割れは2年ぶり。主要4業種は航空・造船・輸送用機械以外が減少し、電気・精密は半導体関連の減速により、4半期ぶりの350億円割れとなった。
外需も同13・5%減の5163億5400万円で、3年ぶりの減少となった。アジア、欧州、北米の主要3極では欧州以外が減少。中国は同22・5%減の1519億8900万円だった。
また6月単月の受注実績は、前年同月比21・1%減の1220億2500万円で6カ月連続の減少となったが、2カ月ぶりに1200億円を超えた。
内需は同30・4%減の408億5000万円で10カ月連続の減少。省エネルギー関連の補助金が需要を押し上げ、2カ月ぶりに400億円を超えた。
外需は同15・5%減の811億7500万円で6カ月連続の減少。中国は6カ月連続の減少で、2020年8月以来の200億円割れ。稲葉会長は中国市場について「政府がどのような景気浮揚策を打ち出すか注目している。夏過ぎから暮れには上向くと期待している」と見通した。