不二越、歯車加工の全工程を1台に集約 小型部品用複合機を開発
不二越は歯車加工の全プロセスを1台に集約した小型部品向け複合機「スカイビングギヤシェープセンタGMS100」を発売開始した。旋盤や穴開け加工機、歯切り加工機など複数の設備で構成したラインと比べ使用面積を54%削減できる。部品の高精度化・小型化が求められる電機・電子分野や電気自動車(EV)部品、小型ロボットに搭載する減速機などでの利用を想定する。価格はオープン。年間100台の販売を目指す。
GMS100は複数の加工工程を1台で担うため、加工対象物(ワーク)の搬送や段取り替えの手間、時間を削減できる。工程の集約によりエネルギーロスの低減や、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)にも貢献する。
不二越独自の精密同期制御により、歯車のスカイビング加工に加え、平歯車や、はすば歯車などの歯切りを行うホブ加工、旋削、穴開けなど歯車部品の全加工を1台で実現する。旋削や穴開けでは送り軸の高速オシレーション(軸方向の振動)制御により、切りくずを分離できる。
新開発の高トルクスピンドルと、工具ホルダーには工具取り付けを高精度・短時間化する保持機構「キャプト」を採用した。歯車の加工精度は日本産業規格(JIS)で「N5級以上」を確保した。
対象ワークは外径3ミリ―100ミリメートル。機械の大きさは幅2425ミリ×奥行き3320ミリ×高さ1650ミリメートル。