NC旋盤で新手法 金属棒への穴開け、深穴加工で直径の100倍
ミクニ(山梨県上野原市)は、数値制御(NC)旋盤を用いてステンレスなどの金属棒に対し、直径の100倍の長さまでドリル穴開けできる加工手法を開発した。直径1ミリメートルの穴の場合、100ミリメートルの長さまで穴開けが可能だ。既に、シリコンウエハーの吸着用部品に採用されており、今後、新たな用途開拓を進めていく方針だ。
NC旋盤による深穴加工は、穴直径の30倍程度の長さまでが一般的。また、両端からのガンドリル加工により同程度の深穴切削を行った場合と比べても、「真円度や同軸度に優れるため、高精度な穴開け需要に対応する」という。同じ機械を用いて、金属棒周辺の加工を簡単な段取り替えで行えるため効率性に優れる。
既存のNC旋盤のクーラント循環経路などに各種改良を加えると同時に、協力工具メーカーがクーラント穴を備えた微小径工具を開発することで、深穴一貫加工を実現した。最小径は0・8ミリメートル穴×80ミリメートル長程度までの金属管穴開けが可能だ。リードタイムなどトータルな加工効率では、ガンドリル加工を用いた場合と同等程度を実現した。
同社は、最小で0・2ミリメートル径の穴開け加工など、光通信向け小型金属部品の製造が主力。