10月の工作機械受注、81%増 2カ月連続1400億円超 日工会
日本工作機械工業会(日工会)が発表した10月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比81・5%増の1492億2200万円で12カ月連続の増加となった。1400億円を上回るのは2カ月連続。外需では欧米の伸びが顕著だったほか、内需も回復傾向が継続した。
期末効果で受注が増える9月比でも8年ぶりの増加。25日会見した稲葉善治会長(ファナック会長)は「実需として不調な地域を探すのが難しいくらい、マーケットは全般的に好調だ」と強調した。
内需は前年同月比74・1%増の502億8900万円で、8カ月連続の増加。500億円を上回るのは2カ月連続で、10月としては3年ぶりとなる。半導体製造装置関連や各種産業機械、医療機器など「多様な分野で需要が喚起されている」(稲葉会長)ことから全11業種で増加。航空機・造船・輸送用機械は34カ月ぶりに30億円を上回った。
外需は同85・5%増の989億3300万円で12カ月連続の増加となった。950億円を上回るのは40カ月ぶり。「先進国で力強さが一段と増している」(同)状況で、業種も電気自動車(EV)向けをはじめとする自動車や一般機械など幅広い。地域別では、欧州が13年4カ月ぶりの250億円超え、北米が37カ月ぶりの300億円超え。アジアも3カ月ぶりの400億円超えで、中国は横ばい傾向が続く一方、大型受注があったタイとインドが大きく伸びた。
日工会では、今後も部品不足や部材・輸送費用高騰の懸念は残るものの、好調な受注環境については「当面続くとみている」(同)とした。