工作機械受注、10月81%増の1492億円 回復の勢い増す
日本工作機械工業会(日工会)が発表した10月の工作機械受注実績(速報値)は、前年同月比81.5%増の1492億1800万円で、12カ月連続の増加となった。内需、外需ともに大幅に増加し、2カ月連続で1400億円を上回った。年度の上期末で受注水準が高まる9月と比べても3.2%増となり、回復の勢いがさらに増している印象だ。
内需は前年同月比74.0%増の502億8600万円で、8カ月連続の増加となった。500億円を上回るのは2カ月連続。半導体などの部品不足が続く中、半導体製造装置関連などのメーカーでは増産の動きがあり、「部品を作るための需要が工作機械への投資を後押ししている」(日工会調査企画部)もよう。また、政府の補助金による押し上げ効果も加わったとみられる。
外需は同85.5%増の989億3200万円で、12カ月連続の増加となり、前月比でも2カ月連続の増加。中国では電力不足などによるリスクは残るものの比較的堅調に推移したほか、欧州では10月に開かれた欧州国際工作機械見本市(EMO)で受注を上積みしたようだ。
受注回復に力強さが増している一方で、部品・部材の逼迫(ひっぱく)状況はまだ解消されていない。そのため、ユーザーが部品不足による機械の納期遅延を懸念し、内需の一部は「先行発注の印象が強まっている」(同)という。