10月の工作機械受注、17%増 外需最高更新
日本工作機械工業会(日工会)が発表した10月の工作機械受注総額(確報値)は、前年同月比17・1%増の1434億5600万円と4カ月連続で増加した。外需が単月として91カ月ぶりに過去最高を更新した。アジア、北米、欧州の主要地域で受注が堅調に推移したほか、アジアや米国での大型受注も重なり、全体を押し上げた。日工会では「総じて設備投資への前向きな姿勢が感じられるが、持続するか見極めたい」(調査企画部)とした。
主要地域別では中国が前年同月比9・6%増の317億円と19カ月連続で増加した。業種別では一般機械向けが同43・3%増の134億円、自動車向けが同1・6%減の101億円、電気・精密向けが同26・4%減の56億円だった。日工会は「中国で車関連需要が一服する可能性があるが、データセンターやエレクトロニクス関連需要で引き続き多くの商談が見込まれている」(同)としている。
アジアでは韓国やマレーシアの電気・精密向けで特需があり、中国を含めたアジア全体で7カ月ぶりに500億円を超えた。
北米は同58・2%増と5カ月ぶりに300億円を超えた。大型受注で航空機・造船・輸送用機械向けが45カ月ぶりに90億円を上回り、車向けも5カ月ぶりに60億円を超えた。日工会では米国の関税措置に対し一部で見られた設備投資を慎重に見極める動きが「解消されつつある」(同)との見方を示す。
欧州は23カ月ぶりに200億円を上回った。うちドイツが16カ月ぶりに40億円を超えるなど主要国・地域がおおむね堅調だった。
厳しい状況が続く内需だが、2カ月連続で350億円を超えた。航空機・造船・輸送用機械向けは9月に過去最高を更新した反動減で同24・5%減となったが、車向けが同20・5%増と3カ月ぶりに80億円を上回った。日工会では「ティア1(1次取引先)を中心に設備投資に対する意欲の高まりが夏場以降感じられる」(同)としている。
