中部経産局11月公表 最近の管内総合経済動向 「改善している」、17か月連続 輸出は「増加の動きに足踏み」
中部経済産業局は、11月12日公表の「最近の管内総合経済動向」で、管内(愛知、岐阜、三重、富山、石川の5県)の経済活動についての総括判断を、17か月連続で「改善している」とした。
個別の項目では、生産の判断を2か月連続して「高水準で推移している」とした。鉱工業指数(9月速報)は、輸送機械工業、プラスチック製品工業、鉄鋼業などが低下したことから、前月比1・1%減と2か月連続で低下した。主要業種では、輸送機械が同6・2%減。乗用車は横ばいとなるも、海外向けで自動車部品の好調が継続しており、高水準で推移している。はん用・生産用・業務用機械は同7・6%増。金属工作機械を中心に高水準で推移している。電子部品・デバイスは同5・8%増。スマートフォン向けなどで堅調となっている。
個人消費については、18か月連続で「緩やかに持ち直している」と判断した。管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比4・0%増と11か月連続で前年を上回った。スーパーは、衣料品が振るわなかったものの、新規出店効果に加え、飲食料品に動きがみられ、同4・3%増。コンビニエンスストアは、たばこ税増税に伴う駆け込み需要に加え、カウンター商材や中食が引き続き好調で、同4・5%増。家電大型専門店は、季節空調や通信家電が好調で、同9・1%増となった。一方、百貨店は、台風による影響もあって衣料品等が振るわず、同5・1%減となった。乗用車販売は、普通車が3か月連続で、軽自動車が4か月連続で前年を上回ったものの、小型車が2か月連続で前年を下回り、全体でも3か月ぶりに前年を下回った(乗用車新車新規登録・届出台数…前年同月比2・0%減)。
設備投資は、17か月連続で「増加している」と判断。管内主要8社の金属工作機械受注(国内向け)は、自動車工業向けが3か月ぶりに、一般機械工業向けが13か月連続で前年を上回り、全体では14か月連続で前年を上回った。
輸出については、判断を「増加している」から「増加の動きに足踏みがみられる」に下方修正した。判断変更は9か月ぶり、下方修正は28か月ぶり。名古屋税関管内の輸出総額は、20か月連続で前年を上回ったものの、自動車が14か月ぶりに前年を下回り、伸びが鈍化している。
そのほか、公共投資は「おおむね横ばいとなっている」(8か月連続)、住宅投資は「持ち直しの動きがみられる」(2か月連続)、雇用は「労働需給が引き締まっている」(28か月連続)と判断した。
企業倒産(件数)は、「農・林・漁・鉱業」の倒産がなく、「卸売業」や「小売業」は前年を下回ったものの、「建設業」「サービス業他」が前年を上回り、全体では5か月連続で前年を上回った。
先行きについては、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要とし、各種政策の効果が生産や投資、所得の増加につながることが期待されるとしている。
※比較は、断りのあるものを除き、平成30年9月の実績値による。
ニュースソース:名古屋機工新聞(http://www.kikou.co.jp/)