工作機械、11月64%増 内需好調、全11業種プラス
日本工作機械工業会が発表した11月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比64・0%増の1454億100万円で13カ月連続の増加となった。1400億円を上回るのは3カ月連続。前月比は微減となったものの、これまでと同様に内需、外需ともに回復が進み、高水準の状態が持続している。
1―11月の累計受注は前年同期比74・7%増の1兆4021億9200万円となった。日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は、21年暦年の目標額(1兆4500億円)について「達成はほぼ確実な状況だ」と自信を示した。
11月は内需が9カ月連続の増加で、3カ月連続で500億円を上回った。政府の補助金効果は弱まったが、半導体製造装置関連を中心に回復傾向が続き、全11業種が増加となった。
特に一般機械が21年の中で2番目の受注額に達したほか、電気・精密も4カ月ぶりの80億円超え。一方、自動車は2カ月連続の100億円割れで、21年は横ばい傾向が続いている。
外需は13カ月連続の増加となった。950億円を上回るのは2カ月連続で、稲葉会長は「17年終盤から18年上期にかけて過去最高を記録した頃の水準に迫っている」と好調ぶりを強調した。
地域別では、欧州が3カ月連続の200億円超えで堅調に推移した。特にイタリアは10月の国際見本市開催効果などにより、国・地域別統計開始以来の最高額を2カ月連続で更新し、初の50億円台を記録した。アジアは2カ月連続の400億円超えで、中国が2カ月ぶりに250億円を上回るなど持ち直し傾向にある。