アマダ、プロファイル研削盤で12年ぶり新機種 計測・補正作業を自動化
アマダは精密金型・部品などの加工に使われるプロファイル研削盤で12年ぶりに新機種を市場投入する。独自の撮像技術を活用したデジタルプロジェクターの搭載と、計測・補正作業の自動化により、非熟練者でも簡単に高精度加工が可能。加工時間も従来比20%以上の短縮が見込める。研削加工への要求精度の高度化や作業者の技術不足といった課題解決支援につながる点を訴求し、拡販する。
プロファイル研削盤は、計測用に光学式投影機を搭載し、加工対象物(ワーク)をスクリーンに投影し、仕上げ形状が描かれたチャート図に倣って精密に研削加工する。ただ精度計測や補正加工は、作業者が肉眼で判断して行うため、熟練の技能が必要とされる。
アマダマシナリーが開発し10月20日発売した新製品「DPG―150」は、従来の光学式投影機に代わり、32インチサイズで4K画面のデジタルプロジェクターを搭載。最大倍率を400倍(従来は110倍)と大幅に拡大した。ワークの微細な部分を鮮明に見ることができ、視野範囲も広げられる。デジタルプロジェクターの搭載は業界初という。
昇降ストロークはリニア仕様の場合で0ミリ―162ミリメートル、砥石(といし)サイズは直径65ミリ―180ミリメートル。装置単体の価格は3760万円(消費税抜き)。電気自動車(EV)や半導体、高速通信関連分野向けを中心に年24台の販売を目指す。
自動でワーク形状の計測や完成品との誤差の補正加工を行う機能も搭載する。計測にはルーペ操作による計測や指定区間の自動計測など3機能を設定。初期段取り後の全作業を自動化することで、作業者による品質のバラつきを抑えられ、チャート紙の作成用設備費用も削減できる。
また生産性をより重視するユーザー向けに、同機種と自動工具交換(ATC)/自動ワーク交換(AWC)ロボットを組み合わせた自動化仕様もそろえた。粗加工から仕上げ加工の自動化と複数製品の連続加工が可能で、作業員不在時の長時間連続運転を実現する。
プロファイル研削盤の現在の主要市場は日本と中国、韓国だが、新機種の自動化機能や高い操作性を訴求し、欧州、北米、東南アジアにも拡販する。