昨年のHV世界市場、14%増の182万台 日欧・中国で好調
富士経済は22日、ハイブリッド車(HV)の世界市場が2016年に前年比14.5%増の182万台だったと発表した。
石油枯渇への危機感が薄らぎ、大型スポーツ多目的車(SUV)に需要が傾いた北米で前年割れとなったが、日本と欧州、中国が好調だった。
主要地域別では、日本が同8.1%増の93万台となったが、北米は同5.3%減の36万台だった。欧州は、一部の国で二酸化炭素(Co2)低排出量優遇策の適用対象となったことで同45.5%増の32万台を記録。中国は日本メーカーが現地生産車を初投入したほか、物価高騰でガソリン価格が上昇したことで同5.0倍の10万台だった。今後は欧州で低燃費車の需要が増えるほか、中国が環境規制に対応することで市場は緩やかに拡大。21年の世界市場規模を16年比28.6%増の234万台と予測した。
一方、16年のプラグインハイブリッド車(PHV)の世界市場は前年比42.9%増の30万台だった。うち北米が同60.0%増の8万台を記録。各メーカーがモデルチェンジや既存車の値下げ、新型車の投入を行ったためとみられる。電気自動車(EV)は同38.2%増の47万台だった。うち、中国が同60.0%増の24万台と世界最大の需要地となった。北京などの都市でナンバープレートの無償取得を含めた購入補助を実施した効果が出た。