牧野フライス精機 新工場を設立 生産能力が1.5倍に
工具研削盤メーカーの牧野フライス精機が、生産工場の建て替えを進めている。昨年3月に第1工場、今年9月に第2工場を完成させ、2019年3月には部材などを保管するパーツセンターとして機能させる第3工場を建設する予定だ。
新工場では、最大7.5tまで対応できる設備を第1工場、第2工場ともにそろえたほか、工場内を最大限に活用できる建築設計にし、十分な生産スペースを確保。月産2~3台だった「AGE30」は、最大で月10台まで生産可能となった。また、工場全体の生産能力では、第3工場完成の時点で1.5倍まで向上し、人員を増強すれば2倍まで引き上げられるという。
2つの工場の内、「生産の本丸」とされるのが第2工場。2階建て構造で、1階には5~6台が生産できるラインが4本。2階では、汎用機を中心とした機械のほか、ローダや砥石交換装置、軸などの周辺部品を製造する。
一方、第1工場は生産に加え、オフィスや会議室、食堂などを併設したほか、加工テストや研究開発を行うソリューションセンターも設置。「今後は機械単体だけでなく、周辺機器や加工技術も含めたトータルでの提案が求められる」(清水社長)と顧客への提案力強化に活用する。
工場を再構築したもうひとつの目的として、「物の整流化」がある。旧工場では、部材や仕掛品などを保管する十分なスペースが確保できず、工場内の整理整頓が万全とはいえなかった。第3工場をパーツセンターとして機能させることによって、その課題を解消し、作業効率を上げていく。また、「良い製品をつくることはもちろんだが、それをつくる環境も大事。『見せられる工場』にすることで、顧客の信頼を得られるようにしたい」(清水社長)。
今後については、「日本は生産地が品質保証につながる数少ない国。これからも日本でつくり続けていくことは変わらない。生産力を高める取り組みを継続し、顧客に選ばれる企業を目指していく」(清水社長)としている。