ノリタケ、研削砥石を4年ぶり値上げ 全製品対象に5―15%
ノリタケカンパニーリミテドは12月受注分から研削砥石(といし)の価格を4年ぶりに値上げする。
世界で販売する全製品が対象で値上げ幅は5―15%。原材料の値上がりを原価低減などで吸収してきたが、限界と判断した。同社は自動車や鉄鋼、軸受業界を主要顧客とし、国内シェア約3割の最大手。国内の総合砥石メーカーとしては他社に先駆けての値上げ表明で、業界の動向に影響を与えそう。
結合材に樹脂を使うレジノイド砥石、セラミックス系材料を使うビトリファイド砥石の両方を値上げする。顧客に合わせた主力の個別仕様製品に加え、切断砥石やオフセット砥石などの汎用品も対象とする。
砥材の原料では、アルミニウムの価格が世界的な需要増に加え、中国の環境規制強化で高騰している。石油コークスも電炉で使われる黒鉛電極の需要増などで価格が上昇している。また結合材も、樹脂系、セラミックス系のいずれも価格が上昇。人件費や物流費も上がり、研削砥石の採算を圧迫している。
さらに汎用砥石に使うジルコニアやグラスファイバーなどの副資材の価格も上昇している。汎用砥石を主力とする子会社の日本レヂボン(大阪市西区)は先に、10月出荷分からの全製品の15―20%の値上げを表明した。
ノリタケ製の研削砥石は、自動車向けを中心に需要は旺盛で、人手不足も相まって需給がタイト。今後顧客との本格的な価格交渉に入り、早期の反映を目指す。