機械工具に春風 17年需要見通し
機械工具業界の関連団体が2017年の見通しを発表している。温度差はあるものの、昨年に比べ、増加を見込む団体が多い。工作機械やロボット、測定機器は対前年比で7~8%の増加を見込む。工具や機器は見通しを発表していないものの、回復傾向が続いているようだ。トランプ政権の誕生、イギリスのEU離脱といった政治の影響など不安要素もあるが、各業界団体の見通しでは昨年以上の水準は期待できそうだ。
●工作機械は1兆3500億円8%増
日本工作機械工業会は17年の受注見通しを対前年比8%増の1兆3500億円とした。アメリカを中心とした外需がけん引役となるほか、中国やアジアでも高機能化ニーズが高まり、日本の工作機械の需要は底堅いという声が多い。内需について「補助金などの施策が継続し底堅い」(花木義麿会長)としており、国内も昨年並み以上で推移しそうだ。
●切削も堅調に推移
機械工具工業会は17年の見通しを発表していないが、「10月以降かなり高水準で推移した」(ある大手工具商社幹部)と話すように回復基調にある。
同工業会の会員統計の生産実績によると、16年度上期は2226億円と対前年同期比4%強の減少だが、通期予想は4467億円と3・3%減とマイナス幅は縮小する。
ある大手超硬工具メーカー幹部は「昨年よりは間違いなく良い」と見通している。
●工作機器は上期に期待
日本工作機器工業会も17年の見通しを発表していないが、切削工具同様に回復傾向にある。16年1―11月の累計販売額は1564億円で前年同期比約7%のマイナスとなっている。しかし、同工業会の寺町彰博会長は「11月以降回復している。17年上期もその傾向は続く。ただ下期は見通しづらい」と話している。
●測定機器は微増予想
日本精密測定機器工業会は17年の出荷額を1020億円と発表した。16年は960億円前後となりそうで、約7%程度の増加を予想する。JIMTOFでの引き合い増加や、近年の製品の高品質化などから「測る」ニーズは今年も引き続き根強い。
ニュースソース: 日本産機新聞 http://sanki-kanagata.com/