今年の工作機械受注見通し、1兆7500億円に上方修正 世界で設備投資活況
日本工作機械工業会(日工会)は、2022年の工作機械受注見通しを前年比13・5%増の1兆7500億円(22年1月予想は1兆6500億円)に上方修正した。18年(1兆8157億円)に次ぐ過去2番目の高水準となる。世界的に製造業の設備投資が活況で、8月までの受注が国内、海外主要地域ともに高水準で推移。今後も大きな落ち込みはなく、年初の見通しを上回るとみる。
予想額の内訳は、内需が同17・6%増の6000億円(22年1月予想は5700億円)、外需が同11・5%増の1兆1500億円(同1兆800億円)。外需は18年以来4年ぶりに過去最高を更新する見通しだ。
1―8月期の累計受注額は1兆1929億円で、同期として18年に次ぐ過去2番目の受注額を記録した。今後、欧米を中心とするインフレ高進と利上げをはじめ、中国経済の低迷や機械の長納期化などのリスクが一層高まる中、受注レベルはこれまでよりも一段落ちる懸念はある。
一方で、日工会の会員企業へのヒアリングでは、国内外ともに製造業の繁忙感が高く、自動化や高効率化の追求、旺盛な半導体製造装置需要や自動車の電動化需要、生産拠点多極化の動きなど「中長期を見据えた根強い設備投資需要が感じられる」という。