日本精工、18年秋AT車用の軸受工場新設
は建屋のみで約50億円。AT向け針状ころ軸受(ニードルベアリング)の生産能力を同社全体で現在比約1割引き上げる。同軸受の設計開発や生産技術、金型の部門も集約し、開発期間の短縮やプレス加工技術を向上する。中国を中心にAT市場が拡大しており、軸受の生産や開発体制を強化する。
榛名工場(群馬県高崎市)内に床面積1万2000平方メートルの第3工場棟を新設する。建屋の約半分に針状ころ軸受の生産設備を導入。19年1月にも稼働する。
残りのスペースは、榛名工場内に点在する針状ころ軸受の製品設計開発や生産技術部門、高崎工場(同)の金型の開発生産部門と関連設備を移管。設計と製造現場の意思疎通を円滑化するなど各部門を融合して開発を効率化する。
針状ころ軸受の競合は世界で数社と限られている。このため同社は要となるプレス加工は将来的にも差別化が可能な技術と判断。中核の金型技術も集約してプレス加工のノウハウを蓄積し、新製品や技術の開発にもつなげる。
富士キメラ総研はAT市場が25年に15年比約3割増の3兆4000億円に拡大すると予測する。また燃費改善につながるATの多段化も進み、関連部品の軸受の増加も見込まれる。日本精工は増産などで需要を取り込み、針状ころ軸受の売上高を21年度に15年度比約1.5倍に高める。