1月の工作機械受注、14%減 13カ月連続マイナス
日本工作機械工業会(日工会)が発表した1月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比14・0%減の1109億6000万円と13カ月連続で減少した。前月比は12・7%減で3カ月ぶりの減少。うち外需は前年同月比6・2%減の803億5700万円と、3カ月連続で800億円超を維持した。一方、内需は同29・5%減の306億300万円と、35カ月ぶりに310億円を割り込み低調に推移した。
地域別の受注額は中国が同5・5%減の226億8600万円。13カ月連続で減少したが、減少幅は10カ月ぶりに1ケタ台に縮小した。業種別では裾野が広い一般機械が同0・8%減の93億円、自動車が同6・6%減の72億円。日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「不透明な状況はまだ変わらないが、底を打ったのかなという印象がだんだん強くなってきている」との認識を示した。
欧州は同19・7%減の167億4100万円と、17カ月ぶりに170億円を下回った。そのうちドイツは同20・6%減の36億6700万円と2カ月連続で減少。業種別では一般機械が同39・2%減の12億円、自動車は同36・4%減の4億円と低調だった。稲葉会長はドイツの受注環境について「さらに落ちる予測ではないのではないか」と述べた。
内需は前月比20・0%減と2カ月ぶりに減少。2023年12月に一般機械や電気・精密であった大口受注の剥落や、能登半島地震の影響を受けた発注の一部先送りも見られたようだ。一方、稲葉会長は国内で投資の先送りが続いていた半導体や自動車関係で「具体的な商談が水面下でだいぶ動き出している。特に半導体関係は今動いている案件が具体化していくことに期待感を持っている」とした。