アイエスツール、本社増強 工具加工能力2倍
アイエスツールは、切削工具の再研磨などを行うための加工能力を増強した。約2億円を投じ本社工場を拡張、工具研削盤を増設した。取引先数の増加や小ロット・短納期品への対応能力を高める。
本社工場の延べ床面積は1050平方メートルとなり、従来の約1・5倍に拡張した。ここに数値制御(NC)工具研削盤5台を追加導入。ワイヤカット放電加工機も1台導入した。これにより、工具の加工能力は従来のほぼ2倍近くに増強した。
アイエスツールは2008年創業で、切削工具の再研磨と特殊工具の製作が本業。再研磨では、小ロット品や短納期品へのこまめな対応が好評を得て、新興企業ながら現在の取引先は1カ月当たり約900社に広がっているという。
不況時には客先の生産数量が減る一方で開発案件が増える。このため工具の再研磨も、小ロット品や短納期仕上げの依頼が増加する。目下の“コロナ不況”でも同様の状況。工場の増強に加えて、大口顧客との取引を広げず、むしろ取引先の数を増やす営業方針により不況下でも対応できているという。
加えて技術開発専門の部署を設置した。新しい加工法や特殊工具を開発する体制の強化が目的。医療機器など最先端のニーズに応える工具の開発をスピードアップする。