第一工業、締め付け強度2倍の樹脂用埋め込みボルト 車部品に照準
第一工業は、樹脂製品に埋め込んで使用するボルト「高トルク対応型圧入式インサートボルト(SSOOボルト)」を発売した。締め付け強度は一般的なインサートボルトの1・5―2倍。高いトルクで締め付けても、埋め込む部分にある八角形の特殊形状が空回りを防ぎ、樹脂を破損から守るため、樹脂製品のボルト締めが可能。部品の樹脂化で軽量化を進める自動車メーカーなどに売り込む。
第一工業は樹脂に埋め込んで使用するナットをすでに販売しており、ボルトでも需要があるとみて開発した。同社の実験によると、八角形の特殊形状を持つナットでは、一般的なローレットタイプと比べて回りトルクが86%、抜けにくさを示す抜け荷重は18%向上。ナットの実験データと実績があるため同ボルトの性能は実証済み。
高トルク対応は、ネジ類の小型化や本数削減につながり、部品点数削減や軽量化にも貢献できる。同ボルトは成形前に金型に入れておき樹脂を流し込むインサート方式と、成形後に圧入で埋め込むアウトサート方式のどちらにも使用できる。
同社は09年にナットを樹脂などに埋め込む「SSOIナット」を、17年に量産に適した生産性の高いアウトサート方式の「SSOOナット」を発売した。今後も高トルクに耐え、樹脂を破損しないナットとボルトで樹脂部品締結の需要を取り込んでいく。