上期貿易赤字2兆円 米向け車・部品輸出減
財務省が発表した2020年上期(1―6月期)の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆2395億円の赤字(前年同期は8963億円の赤字)だった。
新型コロナウイルス感染症の影響により、米国向けの自動車・自動車部品の輸出が減少したことなどが響いた。中国向け輸出は前年同期比3・6%減の6兆7765億円となり、3期連続のマイナスとなった。
1―6月期は輸出額が3期連続で減少し、同15・4%減の32兆3642億円と、上期としてはリーマン・ショック後の09年(42・7%減)以来の減少幅となった。米国向けは自動車のほか、航空機用エンジン部品も落ち込んだ。輸入額も3期連続の減少となり、同11・6%減の34兆6038億円だった。資源価格の下落を受け、原粗油や液化天然ガス(LNG)などの輸入金額が減った。
地域別では、対中貿易収支が1兆7030億円の赤字(前年同期は2兆556億円の赤字)となり、赤字幅は縮小した。対米貿易収支は同49・3%減となる1兆7510億円の黒字で、2期連続の減少。米国からの輸入は航空機エンジンや原粗油、飼料用トウモロコシなどの穀物類がマイナスとなった。対欧州連合(EU)の貿易収支は7299億円の赤字だった。
同日発表した6月の貿易収支は2688億円の赤字で、3カ月連続の赤字となった。輸出は前年同月比26・2%減の4兆8620億円と19カ月連続の減少となった。輸入は同14・4%減の5兆1309億円で14カ月連続の減少。国別では中国向けの輸出が同0・2%減の1兆2430億円と、単月でほぼ前年並みまで回復した。