日本精工、高負荷駆動向けボールネジ寿命2倍 荷重バランス最適化
日本精工は、射出成形機など産業機械で使用する高負荷駆動用ボールネジの長寿命化技術を開発したと発表した。ボールネジに内蔵するボールなどへの荷重バランスを最適化することで、従来比最大2倍の寿命を実現する。長寿命化と設備の小型化、省資源化に貢献する。6月に受注を開始し、2024年に同技術を適用した製品で1億2000万円の売上高を目指す。
ボールネジの荷重が大きくなると、ボールや循環回路に対する荷重バランスは不均一になる。特定のボールなどに負荷が掛かり、ボールネジ全体の寿命低下につながる。
日本精工では新たに開発した専用加工機による「高精度加工技術」とデジタルツインを活用した「解析技術」、加工データを連携した「精密測定技術」の三つを融合。ボールなどにかかる荷重を分散・低減することで、ボールネジの寿命を向上した。使用条件によるが1.1―2倍程度の長寿命化を実現する。
まずは大きな荷重がかかる射出成形機向けボールネジから同技術を適用。その後、半導体製造装置や工作機械向け製品などに広げる。駆動方式が油圧式からサーボモーターに移行しているサーボプレス機での利用も想定する。