三菱日立ツール 精度向上、生産自動化へ 設備投資、昨年度の2倍
三菱日立ツールは今年度の設備投資額が昨年度の2倍に上ると発表した。高精度加工機や寸法測定機などを導入し、精度の向上や生産の自動化、品質管理の強化を図る。今秋には、成田工場にグローバルソリューションセンターを設立する。需要の増加に対応できる体制を整えると共に、提案力を強化していく。
6月に東京・名古屋・大阪・九州で販売店を集めて開かれた「三菱日立ツール報告会」で明らかにした。増田照彦社長は「現在の受注環境が続くと2019年上期までは対応できるが、それ以降は現状の設備だけでは難しい。今、投資しておかないと間に合わない」。
同社の17年度の受注実績は、前年度比13%増となり、過去最高水準となった。金型加工に特化した製品戦略が奏功したことに加え、海外が大きく伸長。海外比率は14年が40%だったのに対し、18年上期には50%まで増加している。足元も好調で、「4、5月と単月で過去最高の売上を更新し続けている」。
こうした需要拡大に対応するために同社では今年度、前年度の2倍の設備投資額を計画し、生産能力の強化に取り組む。
エンドミルなどを手掛ける野洲工場では、工具研削盤を増設するほか、小径超硬エンドミルの高精度化を図るために、±1度で管理された恒温室を設ける。また、品質管理の強化のために、自動寸法測定機の導入も進めていく。
一方、成田工場ではインサート加工を自動化するために、加工から洗浄工程までを集約した設備やインライン計測で自動補正が可能な設備を導入。また、今秋開設予定のグローバルソリューションセンターには、マシニングセンタを新たに3台設備(計9台)するなど、加工課題を解決するための設備を増強する。
増田社長は、「顧客の潜在的な需要を掘り起こし、自動化や高精度化、軽量化などのニーズに応えるだけでなく、自分たちで新しい波を起こしていきたい」。
ニュースソース:日本産機新聞(http://nihonsanki-shimbun.com/)