日系工作機械、中国生産増強 ヤマザキマザックは逆輸入2倍
工作機械大手が中国で生産能力の増強や輸出の拡大に取り組む。ブラザー工業は2019年11月以降に西安市の工場で生産ラインを増強し、生産能力を4割高める。足元の中国での受注は低迷しているが、中長期的には回復すると見込む。ヤマザキマザックは大連市の工場の日本への輸出量を19年にも2倍に増やす。日本市場が好調で、国内生産だけでは需要に供給が追いついていない状態を改善する。生産拠点、輸出拠点の双方での中国工場の重要性が高まっている。
ブラザーは生産子会社「兄弟機械(西安)」で、現地向けに小型マシニングセンター(MC)の主要3機種を生産する。工場内に分散する倉庫機能を19年11月完成の倉庫に集約し、空いたスペースを順次生産ラインに転換する。投資額は非公表。
同社は中国では主要顧客の電子機器製造受託サービス(EMS)向けが落ち込む。だが、同じく主要顧客の自動車向けを中心に中長期の需要は伸びると見て、西安工場の生産能力を高める。
ヤマザキマザックは生産子会社「山崎馬扎克机床(遼寧)」で生産する小型数値制御(NC)旋盤の日本への輸出量を月20台に倍増する。中小製造業を中心に受注が好調な上、国内での生産増強が難しいため、9月に輸出を始めた。
供給難を解消し、納期を短縮するため、輸出倍増を決めた。13年稼働の遼寧工場は、生産増強で月産能力を16年比5割増に高めた。
日本工作機械工業会(日工会)によると9月の工作機械受注実績(確報値)では、中国が前年同月比22.0%減の189億円で7カ月連続の前年割れ。日本は同5.6%増の644億円で、20カ月連続で前年を上回った。