遠州工業、熱処理炉2基追加 熱処理工程の能力増強
遠州工業は、主に2輪車部品向けの熱処理工程の能力を増強する。約1億5000万円を投じて本社敷地内の熱処理工場に熱処理炉を2基追加し7基体制としたほか、近隣に約800平方メートルの土地を取得し、熱処理前後の製品の保管設備を増設予定。売上高営業利益率を現状の約4%から、2022年3月期をめどに15%に高め収益力向上を図る。
同社の熱処理は、製品の一部を防炭処理してその後の加工を容易にする「浸炭焼き入れ」が主力。防炭処理の方法が部品ごとに細かく異なることを背景に、大手の熱処理工場では小ロットの引受件数が減少傾向にあるが、同社は小ロット処理の対応に積極的に取り組むことで収益を拡大してきた。石井社長は「熱処理と省人化の二つの分野に投資を集中し、将来は熱処理を既存事業に並ぶ主力に育てていきたい」としている。