住友電工、超硬ドリルと鋼工具 20年めど生産能力3倍に
住友電気工業は2020年をめどに、超硬ドリルと鋼工具を生産するグループ会社「東北住電精密」(福島県三春町)の生産能力を最大で現状比の3倍に増強する。自動車、産業機械、半導体市場向けなどの需要が増え、すでにフル稼働に近い状態という。将来の増強を見据えたスペースは確保済みで、生産ラインを順次増設する。総投資額は20億―30億円程度になるとみられる。
東北住電精密は切削工具事業子会社の住友電工ハードメタル傘下で、住友電工の孫会社。17年に稼働したばかりだが、旺盛な需要を背景に増強を検討する。同工場には最新鋭の設備による高効率ラインが設置されており、従来と比べコストを3割程度抑えた生産を行っている。国内では、刃先交換式切削工具を生産する北海道の工場も、新棟を19年末に稼働して生産能力を約2割増やす計画がある。また、海外も中国、米国、欧州の工場で能力増強する方針だ。
住友電工ハードメタルの18年3月期売上高予想は前年同期比12.7%増の965億円。19年3月期も同15%程度の売り上げ成長が可能と見ており、生産能力を国内外で増やす必要があるという。