ファナック・三菱電など、経産省と協力してIoT基盤の連携実証 20年度仕組み確立
ファナックや三菱電機など複数の生産設備メーカーが経済産業省と協力し、各社のIoT(モノのインターネット)基盤(プラットフォーム)の連携に向けた実証プロジェクトを立ち上げる。
生産データの形式(フォーマット)などを共通化する仕組みを検証する。工作機械やロボットなど生産設備分野ではIoT基盤が次々と現れ、ユーザーの利便性確保のため基盤間の連携が求められている。
設備メーカー各社は実証を通じ、2020年度をめどに連携の仕組みを確立する。
法政大学の西岡靖之教授が先導役となり、協調領域での企業間連携を促す「ゆるやかな標準」の考えの下、18年度から3年計画でプロジェクトを推進する。DMG森精機、日立製作所なども参加する予定だ。
設備から取得するデータのフォーマットや処理条件などを基盤間で共通化し、ユーザーがあらゆる基盤で自社の生産データを簡単に利用できるようにする。昨今、ファナックの「フィールド・システム」や三菱電機の「FA―ITオープンプラットフォーム」など工場用のIoT基盤が急増しているが、データの処理条件などが共通化されず「どれを導入すれば良いか分からない」とIoT化を躊躇する声も挙がっていた。
各社は加工性能など競争領域は残しつつ、工場用IoTユーザーの拡大という共通目標に向け手を組む。
経産省の第4次産業革命に向けた戦略「コネクテッド・インダストリーズ(CI)」の下、西岡教授を座長とする作業部会(WG)で17年末から基盤間連携のあり方を探ってきた。WGで目指すべき将来像を数パターン定め、方向性が固まったため実証段階に入る。
・DMG森精機
ドイツ企業などと合併会社「アダモス」を17年9月に設立。生産設備用IoT基盤を同年10月から提供
・日立製作所
設備の制御データや基盤システムなどの連携が可能なIoT基盤「ルマーダ」を16年に提供開始
・ファナック
工作機械やロボットなどを繋ぐIoT基盤「フィールド・システム」の提供を17年10月に開始
・三菱電機
FAシステム用IoT基盤「FA-ITオープンプラットフォーム」を18年4月に提供開始