DMG森精機、印でマシニングセンター、年200台生産 現地企業と協業
DMG森精機はインドに生産進出する検討を始めた。現地企業と協業し、年200台規模の立型マシニングセンター(MC)の生産を視野に入れる。2019年末までの販売開始を見込む。日本工作機械工業会の調べでは、インドの工作機械市場は1―10月に受注高が前年同期比で約3割増えた。中国に並ぶ新たな巨大市場に育つとみて、現地化に乗り出す考えだ。
DMG森精機はベンガルールなど主要な工業地帯を網羅する営業・サービス拠点があり、同地の売上高は150億円規模とみられる。現地の要求に合った工作機械を顧客近くで生産し、迅速に供給できるようにするもよう。
機械輸出に関する法令順守を絶対条件とし、慎重に現地化の詳細を詰める。インド企業との協業で早期に生産体制を整える意向があるようだ。得意の自動化を含め、市場の急速な立ち上がりに対応する。
日本の工作機械メーカーによるインド生産はまだ珍しく、現状は牧野フライス製作所やツガミなど数社に限られる。ただ、人口13億人の同国は製造業の急激な成長が期待され、機械各社による投資が本格化しつつある。日工会によると、インド受注は1―10月に約400億円とすでに韓国やタイ、台湾を上回る。
ツガミはインドに自動旋盤の工場を増設する計画があり、工作機器ではTHKが20年1月に直動案内機器(ガイド)の工場を稼働させる。樹脂部品の射出成形機業界では、東芝機械が現工場の隣接地を取得し、21年に生産能力を現在比6割増やす。日系、現地企業への拡販を目指す。足元は車関連の設備投資が活発で、工作機械の大口受注が相次いでいる。