4つのテーマで振り返るメカトロテックジャパン2017 -1-
少子高齢化による労働力不足の解消や、生産性向上の追求など、高度化する製造業の課題に対し、生産財メーカーは多彩な最新技術で解決策を示している。近年ではIT技術の進化に伴い、設備の稼働状況などを見える化し、収集したデータをネットワークでつなげることで、効率的な設備や工場の運用につなげる動きも加速。さらに、ロボットを活用した自動化や、付加価値の高い精密加工、高能率な加工などでユーザーの競争力強化を支援している。10月18日から名古屋で開かれ、9万人超が来場したメカトロテックジャパン2017では、こうした製造業の課題の解決策や、生産性向上に関する手法が数多く紹介された。
1.ロボット活用が顕著 労働力不足解消へ
労働力不足の解消が喫緊の課題となっていることから、ロボットやITを活用した自動化提案がひときわ目立った。工程短縮や集約に関する出展が多かったのも特徴的だ。
なかでもロボットによる自動化が顕著だったのが計測分野。ミツトヨはインライン計測機などに多関節ロボットを組み合わせて展示したほか、ロボットに表面粗さ計を取付けた計測を披露した。東京精密も三次元測定機「Duramax」と多関節ロボットを組み合わせ、自動化を提案した。カールツァイスはロボットによる車体計測を実演。「CZ-AI」センサを取付けたシステムでは、±0.1㎜の繰り返し精度で寸法や穴径を検査できるという。
工作機械でも自動化提案は目立つ。岡本工作機械製作所は自動研削システム「MUJIN」を搭載した平面研削盤にロボットと洗浄システムをあわせて展示。研削、洗浄、ワーク外しまでの完全自動化を提案した。丸栄機械製作所はロボットを取り付けた円筒研削盤2台を展示し、ワーク搬送や段取りの自動化を訴えた。
複合機や5軸機による工程集約をPRする機械メーカーも多い。OKKは5軸立形マシニングセンタ2機種を出品。ギアなど航空機部品のワークを展示、段取り替えが減らせるなど、工程集約の利点を強調した。三井ハイテックも5軸制御の平面研削盤を出品。円錐形などの金型部品をワンチャッキングで±1μmの精度で加工できるという。
熟練技能者を中心に人手不足に対応する展示が増えたのも特徴的で、バリ取りや磨きでも自動化が進んだのもその流れだ。ジーベックテクノロジーやNaITOでは多関節ロボットを使って自動化を提案。ヤマシタワークス、柳瀬でもそれぞれの装置や機器をロボットと組み合わせ、磨きやバリ取りの自動化を紹介した。
三和製作所は、ハイスのスローアウェイチップを展示。ハイスバイトの刃を研げる技術者が減っていることから注目を集めた。
つづく
ニュースソース:日本産機新聞(http://nihonsanki-shimbun.com/)