2020年9月分の工作機械受注額 内外需ともに回復傾向が強まる
日本工作機械工業会が発表した2020年9月分の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比15・0%減の840億99百万円となり、24か月連続で減少した。前月比は23・7%増と2か月ぶりに増加し、8か月ぶりの800億円超えで本年の最高額となった。
9月は、年度上期の期末効果に加え、中国市場の受注増のほか、国内外で自動車関連需要の受注がみられた。
内需は、前年同月比34・3%減の302億70百万円となり、22か月連続で減少。前月比は31・2%増と2か月ぶりに増加し、6か月ぶりの300億円超えとなった。水準は依然低いものの、期末効果に加え、全11業種すべてで前月を上回るなど、5月を底に回復傾向が継続している。
内需の主要業種では、一般機械向けが6か月ぶりの120億円超えとなった。自動車向けは、自動車部品、完成車とも前月を上回り、6か月ぶりの70億円超え。航空・造船・輸送用機械向けも6か月ぶりの10億円超えとなった。
外需は、前年同月比1・7%増の538億29百万円となり、24か月ぶりに増加へ転じた。前月比も19・9%増で、8か月ぶりの500億円超え。堅調な中国をはじめ、主要3極(アジア、欧州、北米)すべてで前月を上回った。
アジア向けは、東アジア、その他アジアともに前月を上回り、15か月ぶりの250億円超えとなった。中でも中国は、18か月ぶりの200億円超えで、前年同月比でも4か月連続の増加と堅調。 欧州向けは、前月比で2割超えの増加となったが、7か月連続の100億円割れと低調が続いている。
北米向けは、アメリカが7か月ぶりの140億円超えとなり、北米全体で6か月ぶりの150億円超えとなった。
2020年度上期の受注額は34・5%減の3964億39百万円.
併せて発表された2020年度上期(4月~9月)の工作機械受注額は、前年同期比34・5%減の3964億39百万円となった。上期としては3年連続の減少で、2009年以来11年ぶりの4000億円割れ。
内需は、前年同期比43・4%減の1408億50百万円となり、上期としては2年連続の減少。主要業種は、「電気・精密」のみ半導体関連の受注もあり前期比で増加したものの、多くの業種の受注水準は2009年下期以来のレベルまで減少した。
外需は、前年同期比28・2%減の2555億89百万円となり、上期としては3年連続の減少。アジア向けは、3半期連続の1500億円割れとなったものの、中国の回復により前期比は5半期ぶりに増加した。
ニュースソース:名古屋機工新聞(http://www.kikou.co.jp/)