工作機械7社、5月受注21%増 中国中心に好調 日刊工業新聞調べ
日刊工業新聞社が11日まとめた工作機械主要7社の5月の工作機械受注実績は、前年同月比21.3%増の434億7900万円だった。
中国を中心に世界主要地域がそろって良く、各社が順調に受注を積み上げた。牧野フライス製作所は3月に記録した最高額を更新し、オークマが2月、3月に続く、過去3番目の規模だった。
牧野フライス製作所は欧米が高水準で横ばいの中、アジアを軸に伸ばした。中国の車・スマートフォン向け、インドで車向けの受注が目立った。インドの車向けは三菱重工工作機械も受注した。同社は国内で大型機や車向けの歯車加工機が増加した。
オークマは国内で車や半導体向けに高価格機や複数台の案件を受注したほか、外需も全体と同じく過去3番目の高水準だった。OKKは合計、国内が微減だったが、「国内は10億円を上回る」と堅調だった。
東芝機械は大型機と小型の精密加工機が増えた。大型機は国内の建設機械向け、精密加工機は海外の金型向けの需要が増加中という。小型機では自動旋盤が軸のツガミが国内で車の開拓を進め、シェア首位の中国は「変わらず好調」で、旺盛な設備意欲を特定の産業に偏らず取り込んだ。
国内は、国の設備投資支援の補助金の支給先が決まる直前だが、これを見越した買い控えの影響は少なかったようだ。米国が示唆する自動車輸入関税への懸念が広がるが「米国の顧客が自国で生産するための設備投資もでるだろう」ととの見方もある。