自動車メーカー、中国攻勢−販売網を整備・拡充
自動車メーカー各社が中国の販売体制を強化する。三菱自動車は2017年度中に現地の販売店数を16年度比4割増の300店に増やす。ホンダは17年内に16年比9.1%増の1060店に拡大するほか、既存店の改修も進める。マツダは今夏、浙江省に新型店舗を開業する。中国の自動車市場は内陸部を中心に引き続き成長が見込まれる。各社は販売網の整備・拡充を進め、市場を深耕する。
三菱自は、広州汽車との合弁会社の広汽三菱汽車(GMMC、湖南省)を通じて、スポーツ多目的車(SUV)の「アウトランダー」や「RVR」を生産・販売している。GMMCは16年度末時点で、北京や上海、広州など各省の第1級都市を中心に210店の販売店を構えている。
今後は第3級都市など地方で店舗数を増やす計画。特に自動車需要の伸びが見込まれる沿岸部を中心に開設する。各店舗の販売力や広告宣伝活動の強化にも取り組み、中国でのシェア拡大を狙う。三菱自として20年代初めに、中国で30万台以上(16年度の販売実績は約9万台)の販売を目指す。
ホンダは中国で、広汽ホンダと東風ホンダの二つの合弁会社を持ち、生産・販売事業を展開している。17年内に主に内陸部の販売店舗数を拡大する。広汽ホンダで500店(16年末は477店)、東風ホンダで470店舗(同445店)に増やすほか、高級車ブランド「アキュラ」の販売店も90店舗(同50店)に増やす。
また既存店の改装により、ブランド力の向上と顧客誘致につなげる。広汽ホンダは店舗の内外装に新基準を定め、順次改装を進めており18年にすべて完了する予定。東風ホンダも18年までに対象の約300店を改装する。
マツダは「新世代店舗」と呼ぶ新型店を開業する。黒を基調とした高級感のある内外装に仕上げ、新規顧客の取り込みなどを狙う。