ユタカ技研、栃木拠点増強−排気系部品、自社テスト
ユタカ技研は研究・開発拠点である栃木開発センター(栃木県さくら市)の試験・評価設備を増強する。現在は完成車メーカーが行っているマフラーなど排気系部品の一部テストを自社でできる体制を整える。開発力と提案力を高め、主要取引先のホンダへの拡販にもつなげる。数億円を投じ3年内に設備を順次、導入する計画だ。
ユタカ技研は排気系部品、トルクコンバーターなど駆動系部品、ブレーキディスクなど制動系部品が3本柱。うち駆動系部品はすでに業界トップクラスの試験評価体制を持つ。さらに新規事業のハイブリッド車(HV)用モーター部品やヒートコレクターなど電動化部品の開発体制も、ここ数年で充実させてきた。
一方、排気系部品はエンジンと組み合わせて試験・評価する必要がある。このため従来はホンダなど完成車メーカーでテストするケースが多かった。今回、新設備を導入し、排気系部品の試験・評価体制を整えることでホンダ向けの搭載車種拡大のほか海外展開や他社拡販を加速させる。
背景には環境対応や電動化技術など、完成車メーカーの開発案件が急増していることもある。先進技術の開発競争が激化する中、テストの一部をサプライヤーが担ったり、開発の初期段階から完成車メーカーとサプライヤーがシステム開発したりするケースが増えた。
部品メーカーも自社で試験・評価できる開発力と提案力が求められている。