工作機械7社の7月受注、23%増 部品不足懸念の声
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の7月の工作機械受注実績は、前年同月比23.5%増の468億3200万円だった。米中貿易摩擦を嫌った市場の冷え込みが懸念されたが、大きな影響はなかった。ピークアウトしたとされるスマートフォン向けも牧野フライス製作所やツガミが活発だった。年末に向けては、正常化が遅れている部品不足を、米中貿易問題以上の業界課題とする声があがる。
牧野フライス、オークマ、ツガミが7月単月の最高額を更新した。牧野フライスは全月を通じても過去3番目の好成績だった。国内は一般機械向けが減少したが、自動車向けの金型と量産部品向けが補った。スマホ向けは治具、金型向けを強みに「受注は継続中」と市況に変わりない。ツガミはスマホ向けが復活。好調な国内、欧米での自動車向けに上乗せした格好だ。
自動車向けでは三菱重工工作機械が国内、インド、米国で、ジェイテクトが欧州、中国でそれぞれ大口受注を獲得した。
東芝機械は前年の大口受注の反動減で海外がほぼ半減したが、国内で大型機の受注などがあり、全体で2ケタ増だった。
OKKは米国で「航空機の商談に活気が出てきた」ほか、横型の大型機の引き合いが増えている。
米中貿易摩擦の影響は、「顕在化していない」、「顧客が様子見する動きが若干あるが、年内は好調が続きそうだ」との見方が大勢を占める。一方で顧客の決算期末や消費増税のタイミングに納期を間に合わせられるかに、懸念が広がっている。