工作機械好調変わらず、2月受注31%増 国内電気・精密100億円超
日本工作機械工業会(日工会)が発表した2月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比31・6%増の1389億9800万円だった。16カ月連続の増加となり、好不調の目安となる1000億円を13カ月連続で上回った。足元では部品不足のほか、ウクライナ情勢による世界経済への影響などの懸念が強まっているものの、稲葉善治会長(ファナック会長)は「国内外ともに回復基調に変わりはない」との認識を示した。
内需は前年同月比60・4%増の488億5900万円で12カ月連続の増加。前月比も2カ月ぶりに増加に転じた。主要4業種では電気・精密と自動車が前月比、前年同月比ともに増加し、特に電気・精密は半導体関連需要の拡大により初めて100億円を上回った。産業機械や金型も堅調で「多様な業種で自動化や高効率化、環境対応のための投資が見られる」
外需は前年同月比20・0%増の901億3900万円で、16カ月連続の増加となった。2カ月連続で900億円を上回り、需要の底堅さがうかがえる。主要地域では欧州と北米がともに13カ月連続の増加となった。一方でアジアは、台湾での前月の大型受注反動減などから、前年同月比、前月比ともに2カ月ぶりの減少。中国は一般機械や自動車の落ち込みにより、前年同月比で2カ月ぶりに減少した。
ウクライナ情勢の影響は、現状で発注の先送りが一部で見られるという。稲葉会長は今後の動向について、制裁措置の対象となっているロシアとベラルーシで商談が止まっていることを踏まえ、「エンドユーザーからの買い控えが欧州各地で起きるリスクがある」と指摘。その上で「今後この傾向がどう推移するか、もう少し見極めが必要だ」と慎重な姿勢を示した。
また日工会が同日公表した22年4―6月期の工作機械受注予測DI(「増加」と答えた企業の割合から「減少」と答えた企業の割合を引いた値)は、22年1―3月期から6・8ポイント減のプラス8・1だった。ウクライナ情勢への警戒などから、5四半期ぶりに10を割り込んだものの、6四半期連続のプラス値となった。