計測業界の最新製品や技術を一堂に
先月、計測業界の最新製品・技術を一堂に展示する「測定計測展2017/Measuring Technology Expo 2017」が東京ビッグサイトで開催された。
「測定計測展」は、2年に1回、計測業界の最新製品、技術、情報が集まる国内唯一の専門展で、今回は「進化するものづくりへ“品質”にこだわる計測技術が集結」を副題に、ノギスやゲージ、三次元測定機のほか、光学・レーザー測定機など幅広い測定機器メーカーが出展された。
今年3月から前年比2~3割増と好調の工作機械受注からほぼ半年遅れで動くと言われる測定機器市場も、このところ好調さが見え出した様子。中でも今回の展示会では測定の自動化に興味を持つ来場者が目立つよう。
測定の自動化を推進するミツトヨでは、インライン対応のCNC横型三次元測定機「MACH−3A」と、6軸の協働ロボット(安川電機製)による表面粗さ測定を組み合わせた自動化提案を初披露した。ロボットがワークを移動させつつハンドに取り付けたセンサーで表面粗さを自動測定するデモを見せ、「三次元測定中の待ち時間を表面粗さの測定で有効活用できる。人手不足が深刻化する国内のみならず、品質向上に向けて全数検査が求められる中国市場でもインライン測定の自動化ニーズが増大している」とした。
東京精密では7月にリリースした三次元測定機の新機種「XYZAX AXCEL」を前面にアピールし、「15℃〜30℃の温度で精度保証でき、恒温室がなくても使えるのが好評」と自信を見せる。更に小型軽量で持ち運びやすい非接触3D表面粗さ・形状測定機の新機種「Opt−scope CLW」を様々な使用パターンで展示し、「Z方向測定範囲・作動距離が40ミリと従来の4倍以上。ギヤ歯面や深穴底などでも測定部とワークの干渉を心配せず非接触かつ3Dで測定できる」と説明した。そのほか、マシニングセンタ(MC)向け内径測定機なども展示し、「今までは研削盤や旋盤向けに集中提案してきたが、MC向けでも機上測定のニーズ確保を狙う」という。
黒田精工ではJIMTOF2016で披露した超精密平面度測定機「SF-640M」を展示し、「3次元測定機よりワンランク上の精度(総合測定精度0.6ミクロン)で平面度を測定でき、好評を得ている」としたほか、油圧で金属を膨張させてワーク内径を把持・測定するクランピングツールの新製品「ハイドロリックツール」を展示し、「振れ精度は1ミクロン。ワークの外周や端面を高精度に測定できる」と説明した。同ブースではグループ会社・ゲージングの全自動歯溝振れ測定機「GGR-H400」も展示し、角度の付いたカサ歯歯車も簡単に測定できる傾斜ヘッドやスライドドアなどのオプションを紹介。「1歯あたり3秒以内に測定でき、傾斜部も高精度かつ安価に測定できる。設備投資意欲が好調な中部の四輪・二輪車関連を中心に、測定の自動化を狙った引き合いが増えている」と話した。