中国28年ぶり低成長 工作機械、底入れ観測も…市場縮小の現実
中国国家統計局は21日、2018年の実質国内総生産(GDP)成長率が6・6%と、28年ぶりの低水準だったと発表した。この統計を反映し、日本の工作機械は厳しい受注環境に置かれている。
日本工作機械工業会(日工会)によれば、工作機械の受注は18年11月まで9カ月連続で前年割れで、同月の減少率は前年同月比で約7割減にまで拡大した。飯村幸生日工会会長は「中国は良い時に月400億―480億円の受注があった。これが18年11月は135億円になった」と大幅な市場縮小を指摘する。
月に数千台単位の受注があるとされるスマートフォン向けの工作機械が17年から一転して振るわなかった上、他の産業で生産設備の過剰感がある。その上、米中貿易摩擦の激化により設備投資が先送りされるようになった。
中国は「さらに底割れはなさそうだ」(西嶋尚生ツガミ会長兼社長)と、業界ではすでに底入れしたとの見方が多い。ただ、気になるのは中国経済の減速に伴う他国経済への波及。18年の工作機械産業は自動車各社の旺盛な設備需要に支えられた側面があるが、「車の計画を縮小する動きがある」(工作機械幹部)。国内でも活発だった投資に様子見ムードが広がりつつある。