モノづくり機器、市況上振れ 工作機械受注は過去最高に
工作機械や鍛圧機械、切削工具といったモノづくりの機器の市況が上振れで推移している。
プレス機械や板金機械などの日本鍛圧機械工業会(日鍛工)は2018年度の受注が17年度比3.4%増の3630億円になると予想し、日本機械工具工業会は17年度予想を上方修正した。
工作機械は、17年初に日本工作機械工業会(日工会)が公表した同年の受注目標を大きく上回り、過去最高で着地しそうだ。
鍛圧機械は「高原横ばい」とも言える状態が続きそう。日鍛工が予測した18年度の受注は前年度比3.4%増の3630億円。08年のリーマン・ショック後の10年間の最高を2年続けて更新する見通しだ。過去15年間では自動車の世界生産が好調だった06年度の3935億円、07年度の3934億円に迫る3番目の水準となる。
【工作機械/受注額で1兆6000億円突破も】
工作機械は17年が過去最高の受注額になりそうだ。18年も経済変動や地政学リスクが起こらなければ「大きく下がる要素はない」(東芝機械の三上高広社長)などとの声が多く聞かれ、引き続き活況が期待できそう。
機械商社、トミタの冨田薫社長は17年の国内市況を、「1次サプライヤーだけでなく、3次サプライヤーまで仕事が回るほど繁忙だった」と、大企業だけでなく中小企業にも仕事が行き渡っていたことを指摘する。これほどの活況を目の当たりにし、「(国内でも)まだまだ間違いなく設備投資は続くだろう」と先を読む。
日工会の調べでは工作機械受注は17年1―11月が1兆4796億円。すでに年初予想の1兆3500億円を大きく超えた。17年11月は単月最高の1584億円を記録し、年後半に向かって勢いを強めている。現時点の最高額である07年の1兆5899億円を超えるのはほぼ確実。史上初の1兆6000億円突破も見えてきた。
【機械工具/慎重姿勢も上振れ含み】
日本機械工具工業会は、17年度の機械工具の生産額を前年度比6.9%増の4737億円と予想する。当初予想の4581億円を上方修正した格好だ。日本機械工具工業会によると、17年8月以降は忙しさが増した。乗用車やスマートフォン(スマホ)向けが繁忙だったことに加え、商用車、建設機械向けが増えたという。新しい予想は「コンサバ(慎重)にみた」(日本機械工具工業会の牛島望会長)と、さらなる上振れもありそうだ。
の新型機を18年秋に発表する考えだ。従来機比2倍の生産性と精度を目標に開発を進める。自動車の電動パワーステアリング向けに開発した専用機をベースとする。