工作機械受注、2月29%減の1097億円 中国向け半減
日本工作機械工業会が発表した2月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比29・3%減の1097億4200万円だった。不調とされる1000億円割れは免れたが、25カ月ぶりに1000億円台に落ち込んだ。米中間や英国などの通商問題が世界の設備投資熱を冷ましている。飯村幸生日工会会長(東芝機械会長)は「投資の様子見が一段と強まった」と指摘した。
中国経済の減速や米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱問題など世界経済の先行きに不透明感が増し、投資意欲を減退させている。飯村会長は同日の定例会見で「設備計画が凍結されたなどの話が出ている」と直近の投資動向に言及した。
国内にも様子見ムードが広がり、内需は同28・4%減の416億6800万円。3カ月連続の減少だ。主要業種のうち「一般機械」は同20・6%減、「自動車」は同43・4%減と減少幅が大きい。
外需は同29・8%減の680億7400万円で5カ月連続の減少。中国は縮小に歯止めがかからず、同50・4%減と半減。前年割れが12カ月連続に伸びた。北米は同18・6%減で21カ月ぶりに減少した。ただ、先行きについて飯村会長は世界の通商問題が夏頃には落ち着き、設備投資意欲が回復するとみる。「7、8月には底から上がり目に反転するだろう」との認識を示した。
当面の焦点は3、4月の動向だ。3月は期末効果で受注高が膨らむ季節性がある。仮に2月と同水準の1000億円規模であれば市場の痛み度合いは深刻。さらに4月は反動で受注高が低くなる傾向がある。やはり1000億円規模を維持できるかがポイントだ。