工作機械上期受注、29.8%増9112億円 年1兆6500億円ほぼ確実
日本工作機械工業会(日工会)が発表した1―6月期の工作機械受注実績(確報値)は、前年同期比29・8%増の9112億2200万円で3半期連続の増加となった。1―6月期として2018年以来4年ぶりの9000億円超えで、過去2番目の受注高を記録。半導体製造装置関連などの電気・精密分野を中心に設備投資が活況で、内外需ともに好調を持続した。
日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は、7―12月期について「この勢いが急に失速することは考えにくい」と見通し、「年間受注見通しの1兆6500億円を上回るのはほぼ確実」との見解を示した。
内需は前年同期比48・9%増の3145億8000万円で、1―6月期として2年連続増加した。3000億円を上回るのは8半期ぶり。主要4業種はすべて増加し、このうち電気・精密は90年7―12月期に次ぐ過去2番目の受注高となった。
外需も同21・6%増の5966億4200万円で、1―6月期では2年連続の増加。5000億円超えは2半期連続で、過去最高を更新した。地域別ではアジア、欧州、北米の主要3極がすべて増加し、アジアと北米が過去最高を更新した。
アジアは、EV向けや産業機械向けが好調で3カ月ぶりの500億円超え。そのうち中国は同24・0%増の347億9000万円と5カ月ぶりに増加し、13カ月ぶりに340億円を上回った。
北米は17カ月連続の増加で、10カ月連続で250億円を上回った。一方、欧州はロシアやトルコで受注キャンセルが発生した影響で、17カ月ぶりの減少となった。