2月の工作機械受注、3.5%増 中国などアジア押し上げ
日本工作機械工業会(日工会)が発表した2月の工作機械受注総額(確報値)は、前年同月比3・5%増の1181億9800万円と、5カ月連続で増加した。全体の3割強を占めるアジアや同3割弱の日本がプラスとなり押し上げたが、受注総額は2カ月連続で1200億円を下回った。日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「引き続き一進一退の横ばい基調が継続している」との見方を示した。
地域別の受注額は、中国が同16・9%増の266億円と11カ月連続で増加した。業種別では一般機械向けが同22・7%増、自動車向けが同27・3%増、電気・精密向けが同4・8%増だった。
中国は生産設備の更新費用を補助する景気刺激策にも支えられ、2月まで12カ月連続で250億円を超えた。2025年もこうした政策の継続・拡充が見込まれるが、稲葉会長は「米中貿易摩擦の行方が不透明で、景気刺激策の効果がどのくらい阻害されるのかは読めない」と慎重にみる。
北米は中核の米国が同2・0%増となり250億円を超えたが、メキシコは同39・8%減と低迷した。欧州はドイツが5カ月連続で35億円を超えるなど、2カ月ぶりに150億円を上回った。
業種別では航空・造船・輸送用機械向けの堅調さが目立った。日本は9年1カ月ぶりに40億円を超え、欧州は同21・3%増の30億円、北米でも40億円を上回った。稲葉会長は航空機メーカーが受注残を抱えていることもあり「欧米で航空宇宙関係が伸びている。しばらく続くことを期待している」と述べた。
日工会が3月に集計した4―6月期の受注見通しは、1―3月期と比べて「増加する」と回答した会員企業の割合が9・6%、「減少する」は13・7%で、差し引きした業況判断指数(DI)は4・1のマイナスとなったが、前回調査から4・1ポイント改善した。稲葉会長は自動車関係で新車開発プロジェクトの方向性が定まりつつあることなどから、「25年後半ごろからの持ち直しを期待している」とした。