2月の工作機械受注、8%減 14カ月連続マイナス
日本工作機械工業会(日工会)が発表した2月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比8・0%減の1142億800万円と、14カ月連続で減少した。前月比は2・9%増で2カ月ぶりの増加。日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「依然として緩やかな調整局面の中で、横ばい気味に底堅く推移している」との見方を示した。
地域別の受注額は中国が前年同月比22・4%減の228億1900万円だった。14カ月連続で前年割れとなったが、4カ月連続で220億円を超え底堅さも見られた。2月中旬の春節(旧正月)時期を踏まえた1―2月期では前年同期比14・8%減だった。
稲葉会長は中国の受注状況について「一部会員から底入れしつつあるのではとの見方が示されている」と述べた。一方、「3月上旬の(中国の国会に当たる)全国人民代表大会を終えても本腰の入った政策のテコ入れが感じられず、停滞感が払拭できていないとの意見もある」とし、まだら模様との認識を示した。
米国を中心とする北米は前年同月比10・1%増の256億4500万円と3カ月ぶりに増加。伸び率では5カ月ぶりに2ケタを超えた。業種別では航空機・造船・輸送用機械が同51・8%増の47億円と好調な一方、自動車が同25・7%減の22億円。稲葉会長は電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、ガソリン車の需要が入り混じり「北米の自動車関係は少し計画の見直しを迫られているのではないか」とした。一方、インドは自動車で大型受注が続くなどして、同93・5%増の51億5900万円だった。
同日発表した4―6月期の工作機械受注予測DI(「増加」と答えた企業の割合から「減少」と答えた企業の割合を引いた値)は、1―3月期から11・0ポイント改善のマイナス8・2となり、2023年終盤に高まった先行きへの懸念は緩和されたようだ。稲葉会長は「受注が底を打っていると感じる会員が非常に増えたことを表している」との考えを述べた。